研究室の構成メンバー
(2012年3月現在)

教員

 舟橋 弘晃  FUNAHASHI Hiroaki




学位授与者・学位要旨

就職・進学情報


論文・学会発表など

国際交流



2010年度メンバー



大学院博士後期課程1年(D1)

 王 永志  Eishi OH

大学院博士前期課程2年(M2)


 魚住卓矢  Takuya UOZUMI
 奥平裕一  Yuichi OKUDAIRA
 金  時宇  Shiu KIM
 坂井佑太  Yuta SAKAI
 阪口広大  Kodai SAKAGUCHI
 山下 佳佑   Keisuke YAMASHITA
 和家功典  Kousuke WAKE
 金  春煥  Chunhan KIM

大学院博士前期課程1年(M1)

 
金 春煥 Shunhoan JIN
 中小路宗洋 Munehiro NAKAKOUJI
 廣瀬悠人 Yuto HIROSE

学部4年生(B4)

 伊藤 舞 Mai ITOH
 今井 碧 Midori IMAI
 中戸 可奈 Kana NAKATO
 柳 沙百合 Sayuri YANAGI

学部3年生(B3)

 高橋 弦  Gen TAKAHASHI
 長池未郷 Misato NAGAIKE
 宮岡 薫  Kaoru MIYAOKA
 李  楊  Yang LI


セミナー

 週に2回、文献ゼミと実験ゼミをしています。文献ゼミは、公表されている論文の仮説の抽出と、それをどのような手法で証明したのか、さらにその結果と解釈について解説してもらいます。自分たちがその研究をした際にどのように行うのかをシミュレーションすることに重点を置くよう心掛けています。実験ゼミは、各自の研究テーマについての進捗状況を報告してもらっています。こちらも仮説の設定とその証明手法、解釈を重視しています。

2011年度
2010年度
2009年度後期
2009年度前期

2008年度後期
2008年度前期
2007年度前期
2007年度後期
2006年度前期
2006年度後期


アルバム

 定期的にお楽しみ企画をしています。コンパやら学会やら。お見せできないものが多くて・・・。

2011年度
2010年度
2009年度
2008年度
2007年度
2006年度
その他


研究内容

 大まかには、動物の生殖細胞に関する基礎研究と発生工学的応用研究をしています。培養技術および顕微操作技術の他に、生化学的手法や組織化学的手法を用いて、現在、大きく分けて3つの研究グループに分けれて研究を進めています。

1.新たな体外受精システムの開発
 哺乳動物、特に家畜種の受精卵の体外生産には、通常卵巣上に存在する直径3〜6mm程度の中卵胞に由来する卵丘細胞−卵母細胞塊が使用されていますが、その体外成熟・受精後の初期発生能は排卵された卵母細胞に体外受精を行った受精卵や体内で得られた受精卵に比べ著しく低いことが繰り返し指摘されています。また、直径3mm未満の小卵胞に由来する卵母細胞の減数分裂遂行能力や体外受精後の初期発生能は中卵胞由来の卵母細胞に比べ更に低いことが知られています。私達は、何故、減数分裂遂行能や初期発生能がそれらの卵胞由来の卵母細胞で低いのか、どのような処理を行えばそれらの能力が改善されるのかについて、研究を行っています。
 また、クローン羊ドリーの誕生以来、体細胞の核をクロマチンを除去した卵母細胞に移植する、クローン動物の研究が盛んに行われていますが、コピー動物はつくることが出来るかもしれませんが、新たな遺伝子の組み合わせの次世代を作出することは出来ません。もし、精子の代わりに体細胞を雄性ゲノムとして利用することが可能になれば、精子を生産できない個体や死滅したが優秀な遺伝形質を有する個体の体細胞を利用して次世代の個体を作出することが可能になるかもしれません。受精は、雄の配偶子である精子と雌の配偶子である卵子が合体する現象ですが、多くの哺乳動物では、排卵された卵母細胞は減数分裂を終えた精子が侵入してくる刺激によって第二減数分裂を完了させ、第二極体を放出して減数分裂を終えます。つまり、精子を迎え入れる時点での卵母細胞内に存在するゲノムは半数体(1N)ですが、精子の2倍のDNA量を有しています(2C)。一方、体細胞は2倍体(2N)で、細胞周期を経る中で精子の2倍のDNA量(2C:G1期)と4倍のDNA量(4C:G2期)の間を変動しています。卵母細胞の中で2Nから1Nになる機構を利用できれば、1N2Cの体細胞を作ることが可能になると思われます。卵母細胞とともにそれらを活性化してやれば、極体の放出によってともに1N1Cの雄性および雌性ゲノムを得ることが期待できます。基礎的な減数分裂と体細胞分裂におけるクロマチン分配の制御機構や修飾機構に関する研究とともに、応用的な体細胞を用いた顕微受精の研究を進めています。

2.精子の生存性を人為制御することによる雄性ゲノムの有効利用

 この100年で家畜の生産方法は劇的に変わり、家畜の改良速度は格段に向上しました。その中で、最も寄与の大きい技術として、人工授精技術と生殖細胞の凍結保存技術の開発を挙げることができます。牛や豚の人工授精技術は半世紀から四半世紀前に開発された今となっては古い技術に分類されます。家畜生産現場で実際に利用されている技術ですが、精子の利用効率は、その技術が開発された時のままです。精子の受精能獲得や先体反応などの機能変化はその後の精子の生存性を極端に縮めます。精子の液状保存や凍結・融解時にこのような機能変化に影響を与えないようにすることで、また人工授精に必要な精子数を顕著に減らすことで、家畜の改良速度は更に急速に向上します。一見地味な研究ですが、人類に必要な動物資源の生産に最も直結した技術の研究であると考えます。私達は、精子の酸化ストレスに着目した研究を行っています。

3.新たな妊娠システムの開発

 妊娠は、主に哺乳動物に見られる特徴的な機構ですが、身ごもった母体にとっては半分自己とは異なった個体の遺伝子を含む胎児を体内で育てています。牛などで盛んな受精卵移植や、海外の不妊治療で代理母をお願いした場合などは、全く赤の他人の受精卵が着床し、胎児が無事出産に至ります。このように哺乳動物の子宮は比較的他を受け入れることが可能であるようです。かなり昔になりますが、羊とヤギの受精卵を混ぜ合わせたキメラ(それぞれ異なった細胞が混ざった形で個体を形成しているものを言います)“ギープ”の作出にケンブリッジのグループが成功しています。であれば、胎盤を母体と同種の細胞で形成し、胎児を異種の細胞で形成されるように操作された胚は、うまく発生するのでしょうか?そのような問いに応えるための研究をしています。