生化学・分子医化学講義

1999年11月30日

 

アミノ酸の代謝の概略

@     アミノ酸のN(窒素)の運命:アンモニアを経て尿素となる。

A     アミノ酸のC(炭素骨格)の運命:

         アセチルCoATCA回路の中間体などになる。

         完全に分解されると二酸化炭素と水になる。

         ケト原性ketogenicアミノ酸→アセチルCoA→脂肪酸→トリアシルグリセロール

         糖原性glycogenicアミノ酸→TCA回路の中間体など→グルコース→ グリコーゲン

B     アミノ酸特有の代謝産物の生成

 

アミノ酸代謝でみられる反応

@     アミノ基転移反応transamination

アミノ基転移酵素transaminase, aminotransferaseによる。ピリドキサル5’-リン酸pyridoxal 5’-phosphate (PLP)を補酵素とする。

典型的な反応

アミノ酸     α−ケトグルタル酸     ケト酸    グルタミン酸

amino acid      α‐ketoglutarate       keto acid    L-glutamate

個々のアミノ酸のアミノ基転移反応の受けやすさ

よく受ける:Ala, Asp, Glu, Tyr, Ser, Val, Ile, Leu

受ける:His, Phe, Met, Cys, Gln, Asn, Gly

受けない:Thr, Lys, Pro, Trp, Arg

A     脱アミノ反応deamination:アンモニアが遊離する。

グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(脱水素酵素)glutamate dehydrogenase

ミトコンドリアの酵素。酸化的脱アミノ反応oxidative deaminationを触媒する。

アミノ基転移反応によりグルタミン酸に集まったNからアンモニアを生成。

逆反応ではアンモニアが固定される。

ヒスチダーゼhistidase

セリン・スレオニンデヒドラターゼserine-threonine dehydratase

D-アミノ酸酸化酵素D-amino acid oxidase

B     脱アミド化deamidation:アンモニアが遊離する。

グルタミナーゼglutaminase

アスパラギナーゼasparaginase

C     酸アミド合成:アンモニアがGln, Aspの酸アミドに入る。

グルタミンシンテターゼglutamine synthetase

アスパラギンシンテターゼasparagine synthetase

D     アミノ酸の脱炭酸反応:アミンが生成する。

Amino acidamine + CO2

Gluγ-aminobutyric acid (GABA)

Hishistamine

Trp5-hydroxytryptophan (5-HT)5-hydroxytryptamine (serotonin)

PheTyrDOPAdopaminenoradrenalineadrenaline


アミノ酸の窒素からのアンモニアの生成

@     アミノ基転移反応:アミノ酸のNGluN

酸化的脱アミノ反応(glutamate dehydrogenase):GluN→アンモニア

A     脱アミノ反応(酸化的脱アミノ反応以外のもの)

B     プリンヌクレオチドサイクルpurine nucleotide cycle:結局AspN→アンモニア

C     脱アミド反応

 

アンモニアの運命

@     上記@の逆反応:アンモニア→GluN→アミノ酸のN

A     酸アミド合成反応:GluGln

グルタミンGlnはアンモニアの一時的解毒型である。

グルタミンGlnアミド窒素は、生合成に利用される。

プリン塩基、ピリミジン塩基、アミノ糖、NAD

B     尿素回路

 

尿素回路urea cycle

カルバミルリン酸合成酵素Tcarbamoyl phosphate synthetase Iによるミトコンドリア内でのカルバミルリン酸carbamoyl phosphateの合成から始まる。

         カルバミルリン酸合成酵素Tの活性には、補助因子としてN−アセチルグルタミン酸N-acetylglutamateが必要である。→尿素回路の短期的調節のしくみ

         カルバミルリン酸合成酵素U:細胞質にあり、グルタミンのNを利用する。ピリミジン塩基の合成に関与する。

尿素は2個のNを有し、アンモニアとアスパラギン酸に由来する。

ATPを必要とする。

オルニチンornithineが一種の運搬体として働いている。

 

窒素代謝の終末産物

アンモニア排出動物(魚類)、尿酸排出動物(鳥類)、尿素排出動物(哺乳類)

 

HOME