無 題

 

今朝のお空は雲一つない澄みきった水色

僕はまだ静かな街や繊細な編み目の木々を眺めながら

ベランダで洗濯物を干している

まるで山で迎える朝のように

吐く息は白く 手はかじかむ

洗濯物は少し寒そうに震えているが

それでもやはりこの朝を良いと思い

僕と一緒に清潔な静寂を満喫している

耳を澄ますと奥深い山の小さなせせらぎが聞こえる

そんな清い旋律で始まる一日が好きだ

余分なものが何もなく身も心も引き締まり

自分がなすべきことがしっかりと分かっている

その導きに従って今日という一日を真面目に生きよう

よどむことなく 

荒れて見失うこともなく

とうとうと自分のなすべきことに打ち込む

一日の終わりを

夕日が溶ける海にそそぎ込む大河のように

充実した疲れを伴って迎えられるように

                             (2003年3月)