しゃぼん玉

正午の広場
かわいい妖精たちが
小さな魔法の笛を吹いている
笛の先から
七色に光る旋律にのって
次々と虹の卵が生まれ出る
穏やかなお日様のいさめも聞かず
追いかける西風の若者
ただよう夢の玉たち
軽やかにその手をすりぬけて
木々の梢でベンチの陰でかくれんぼ
はじける度に
少女たちの笑い声が五月の青空に広がり
長い雲の耳をくすぐる

                             (2003年5月)