山の向こう

毎日大学の食堂で
昼飯を食べながら眺めてる
大学の裏山
ぽかぽかお日様を浴びながら
見渡す限り長く寝そべっている
いつも思う
あの向こうに何があるんだろうって
昔 人が教えてくれたが
残念ながら忘れてしまった
しかし地図を見て確かめる必要はない
なぜなら僕はちゃんと知っているから
山の向こうにあるのは
味気の無い団地でも工場でもない
そこには
僕だけが知っている穏やかな海が広がっている
誰もいない真っ白な砂浜に
繰り返し優しい波が打ち寄せている
僕だけが知っている海が広がっているんだ
                                                   (2004年5月)