2011/4/5追記:

その後の計算により、下記の検討では考慮できていなかった長期的影響を含んだ考察を行っています。

こちらをご覧ください。

 ↓

放射線量変化モデルによる、積算放射線被曝量の推定と放射線源の推定

 

2011/3/30

岡山大学大学院保健学研究科 助教 北脇知己

放射線量変化モデルによる積算放射線被曝量の推定

数理モデルを用いた解析結果から、今後の空間放射線線量率を予想し、3/13から100日間の積算放射線被曝量を推定する。

 

1:数理モデル(第1報と同じ)

 これまでの報告を参照ください。

 

2:結果

(1)  宮城県

http://www.pref.miyagi.jp/gentai/Press/PressH230315.html から、仙台、名取、大河原、亘理の4カ所

  

結果グラフの見方:

・横軸は基準時間(3/13 0:00)からの経過時間

が実際の計測値、線はこの計測値変化をモデルで表現した時間変化(縦軸は線形軸で表示)

・この曲線で囲まれる下の部分の面積が積算放射線被曝量となります。

4カ所の積算放射線被曝量は、多くても400μSv以下

これは胃の検診一回分の放射線被曝量以下

 

(2)  福島県での環境放射線量測定値

http://www.pref.fukushima.jp/j/ から、福島、飯舘の2カ所を対象とする。

(生計測データはソウル大学 谷田先生からご提供いただいた。)

 

福島県内2カ所の積算放射線被曝量は、福島で3.31mSv、飯舘で7.47mSv

これは飯舘でCT検査一回分、福島でCT検査1/2回分の放射線被曝量

 

(3)  福島県浪江町付近飯舘村付近('11/3/31訂正)のモニタリングカーによる空間線量率の測定結果

http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1304001.htm

から、浪江町付近飯舘村内('11/3/31訂正)で高い空間線量率が計測された3132、の2カ所を対象とする。

浪江町付近飯舘村('11/3/31訂正)で特に放射線量が高い2カ所の積算放射線被曝量は、3113.92mSv3234.14mSv

これは放射線業務従事者に認められている年間上限放射線被曝量(50mSv)よりも少ない。

 

3:考察

・今後の放射性物質の飛来がないとすれば、宮城・福島(福島市、飯舘村方面)での、積算放射線被曝量はそれほど高くないと考えられる。

・浪江町付近飯舘村('11/3/31訂正)のモニタリング箇所のように、場所によってはかなり大きな積算放射線被曝量となる(それでも放射線業務従事者の年間被曝量以下である)。

・今後の放射線量の飛来によっては、この推定から大きく異なることも予想されるが、現在の状況のまま推移すれば、ある程度の被曝量で抑えることができると考えられる。