<学生>のみなさんへ 


 1.はじめに

大学の教壇に立ち始めてから、日々、大学で学生に向かって何かを語るようになった。
前もって考えておいたことを説明することもあれば、その場の思いつきで話すこともある。
同じ話を別の学生に向かって話すうちに、内容が変化したり、違う表現や例え話が加わっていくこともある。

学生を前に「話す」ことをとおして、あるいは「話す」という立場に立たされてはじめて、
考えて言葉にしたことがほとんどだ。
話したあとに、こういえばよかったと反省することも多い。
ただ話すばかりでは消えていく一方なので、できるだけ文章にしておこうと思う。

学生にしてみれば、ここで書いた話をまた教室で聞かされるかもしれない。
あるいは、前に話していたことと違うことが書かれているかもしれない。
それはご容赦いただきたい。

自分が伝えたいと思う相手は、たぶん特定の大学の学生だけではない。
「大学生全般」というわけでもない。
「大学」あるいは「学問」から学ぼうというすべての<学生>のみなさんに何かを言いたいのだと思う。

2015.4.10

※2020.1.17追記 
この「<学生>のみなさんへ」の文章は、大幅に加筆修正して2019年12月刊行の『これからの大学』(春秋社)に所収しました。

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