• 第7回 日本口腔検査学会総会・学術大会
  • The 7th Annual Meeting of The Japanese Society for Evidence and the Dental Professional

大会長挨拶

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謹啓 時下,皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より格別のご支援を賜り,厚く御礼申し上げます。

 このたび,第7回日本口腔検査学会総会・学術大会の大会長を拝命し,2014年9月6日(土),7日(日)の両日,岡山市の岡山大学 創立五十周年記念館にて開催させていただくことになりました。

 今回は,「ライフステージに応じた口腔検査とその普及を目指して」を本大会のテーマと致しました。

 健康づくりに対する課題やライフスタイルは,性別や年齢層によって異なります。したがって,「学齢期」,「青年期」,「妊娠期」,「壮年期」,「更年期」,「高齢期」,「要介護期」,そして「終生期」の各ライフステージの問題に応じて設定した健康目標への取り組みが,健康寿命延伸と生活の質(QOL)向上への要となります。一方で,検査によって疾病を早期に予測あるいは発見することは,将来の疾病予防あるいは未病状態の維持を大きく左右します。そこで,歯科医療においても,ライフステージに沿った口腔検査の実施と普及に力を注ぐことが重要となります。

 口腔検査には,細菌学的検査,生化学的検査,免疫学的検査,および遺伝学的検査などの様々な検査があります。近年,病院を受診しなくても実施可能な簡易検査キットの開発も進みつつあります。しかし,中には検査結果の解釈や評価法が熟知されておらず,実用化に至っていないものも少なくありません。各ライフステージに影響する環境要因も考慮しながら,これらの検査をどのように組み合わせて活用するのかを考える必要性を感じています。これを社会に提案していくことで,多くの口腔検査が臨床現場へ普及し,老若男女の健康維持と疾病予防に繋がると思います。そのためには,医療施設,地域,そして行政等による地域医療連携システムの充実も急務です。

 本大会では,本学会理事長である井上孝先生(東京歯科大学臨床検査病理学講座 教授)にご講演いただきます。また,特別講演には,「地域医療と検査」というテーマで澤田弘一先生(岡山県鏡野町国民健康保険上斎原歯科診療所 所長)にお願いしました。大学や病院所属の臨床医や研究者,地域医療の立役者である開業医の先生,そして,歯科業界を支えて下さっている多種多様な専門家や産業界の方々にご参加いただき,共に考え実りある会になれば幸いでございます。

 ライフステージに応じた口腔領域の検査実施法とその普及対策について,活発な討論がなされ,口腔検査分野の温故創新が歯科医療の発展にとどまらず,国民の健康維持増進に貢献することを切に願います。

謹白

第7回 日本口腔検査学会総会・学術大会
大会長   高柴 正悟
(岡山大学 大学院医歯薬学総合研究科 歯周病態学分野 教授)