第1回カリキュラム開発研究会のご案内

日 時:平成15年6月21日(土)14:00〜   

場 所:岡山大学教育学部講義棟1F 5101号室

(岡電バスの岡大東門下車、東門を入ってすぐ右の道を入って最初の右側の建物が講義棟です)  

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発表者・題目・概要

1.能登原 英代(岡山大学大学院教育学研究科)

    「デザインのふさわしさの認知特性に関する基礎的研究」

本研究は人間が服装を選択するときのふさわしさを認知する過程を人間工学的視点から考察する基礎的研究である。事務服にふさわしい服装を選択する際に「ふさわしいと感じる要因」は何かについて調査し,その構成要素を構造的に分析する事を目指している。代表的な服装パターンを被験者に見せ,評価グリッド発展手法を応用して抽出した服装規範意識について,調査パーソナル・コンストラクト理論と評価グリッド法,そして統計的手法を用いて何がふさわしいと感じる要因か,その心理的構成過程を分析した。その結果,服装の好ましさを構成する要因の内的構造の一部を明らかにする事ができた。

 キーワード:服飾デザイン,ふさわしさ,認知的特徴,事務服

2.前本恭子(岡山県立岡山東商業高等学校)

「学校でおこなわれている5分間ドリルの意味:

自覚できない学習効果のフィードバックが自己効力感に与える影響」

教育現場において,児童生徒の学習意欲の低下は,注目されている問題である.ドリル学習を行っていても,学習者が,学習を継続することに困難がある現状がある.しかし,実際の学習場面において,努力を反映する評価,努力を支えるフィードバックがあれば,学習に対する意識が変わる可能性があると,考えられる.一方で,近年の記憶研究における知見から,学習者には自覚できない学習の到達度段階が存在する可能性がある.その場合,学習者は,自分の実態には気づかないままになっていると考えられる.そこで今回,高校生を対象に,5週間にわたってマイクロステップ計測に基づく英単語1語あたり3秒程度の単語ドリル学習実験を実施した.この実験における自己効力感の変化について報告する.

3.寺澤孝文(岡山大学教育学部)

「潜在記憶研究を基礎とした全く新しい到達度評価法」

勉強をすればそれに応じて成績は本当に上がっていくのか?
●ドリル学習は本当に意味があるのか?
●英単語1000語を全部憶えるのに必要な期間はAさんとBさんで何ヶ月ぐらい違うのか?
→こういった子どもの質問に,自信を持って応えられる客観的なデータは世界中どこを探してもありませんでした.今回の発表は,まさにこのような質問に,明確に答える客観的データを紹介します.現在行われている絶対評価はもちろん,業者テストに比べても,比較にならないほど高い精度で到達度の推定が行えるようになってきた,最新の研究情報を提供します(何故それができなかったのかも説明できればと思っています).また
,最近の記憶研究では,一般に記憶(または学習の効果)といわれている記憶と全く異なる振る舞いをする潜在記憶の存在が明確になってきています.本発表は,潜在記憶研究とマイクロステップ計測法の2つを関連付けることにより明らかになってきている新しい学習研究の方向性を紹介します.

 

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