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第7回日本認知症予防学会学術集会
大会長 阿部 康二
(岡山大学大学院脳神経内科学 教授)

     

謹啓

世界一の長寿国である我が国では、人口の高齢化が世界に例をみない速度で進むと同時に認知症患者の急激な増加は、医学的見地のみならず社会経済学見地からも大きな問題となってきております。例えば厚労省が発表した推計によれば、団塊の世代が75歳以上となる2025年には認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占めるだろうと予想されております。 まさに今、認知症予防をどのようにして行っていくのかが喫緊の課題とされています。このような背景の中で精力的な臨床研究、基礎研究が行われ高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満などの生活習慣病とそれに引き続いて起こる血管病が、アルツハイマー病などの認知症の発症、増悪に大きくかかわっていることが明らかになり、注目を浴びるようになりました。また認知症予防を的確に行うためには、認知症早期診断も非常に重要となるため、アミロイドやタウのPETイメージングや、タッチパネル式のスクリーニング検査等が新たに開発されてきております。このように認知症の病態解明とそれに対する早期介入、超早期診断法の確立の全てを早急に進める必要があります。
このたび第7回日本認知症予防学会を岡山市にて開催するにあたり、職種をこえた様々な業種の人々が集まるシンポジウムやセッションを数多く企画しており、意見交換や活発な議論を通じてお互いの連携を深めながら、新たな提言を社会に発信できる重要な機会になると考えられます。年々発展を遂げる認知症予防の領域において活発な発表・討論を行う有意義な会になるよう、関係者一同、一丸となって鋭意準備をすすめております。
本総会が、皆様のご協力で盛り上がり、時代を画する有意義なものになりますよう、多数の研究者のご参加を心よりお待ちしております。

謹白

第7回日本認知症予防学会
大会長 阿部 康二
(岡山大学大学院脳神経内科学 教授)