Computer Networks and Medical Information Lab.

大学院ヘルスシステム統合科学研究科 医用情報ネットワーク学研究室

研究概要

あらゆるモノがインターネットに接続されるIoT (Internet of Things)の時代では,8K動画配信,自動運転,遠隔手術などの, 従来よりもさらに高速・低遅延・高信頼である通信を必要とするアプリケーションの実現が期待されています. 本研究室では,インターネットの高速化技術・低遅延化技術・高信頼化技術,IoT によるスマートコミュニティに関する技術,IoT 機器のセキュリティ技術などの研究開発に取り組んでいます.

主な研究内容

データセンターネットワークにおけるTCPインキャストの回避に関する研究

データセンターネットワークにおいても,TPC(Transmission Control Protocol)が通信プロトコルとして 用いられているが,分散処理によって輻輳状態に陥り,その結果大多数のサーバがアイドル状態となり, ネットワークのスループットが急激に抑制された状態(TCPインキャスト)が発生します. 本研究では,この現象を回避するためのTCPの拡張について研究しています.

Multipath TCPに関する研究

TCP (Transmission Control Protocol)はインターネットの黎明期から使用され続けているプロトコル ですが,データセンターネットワークやマルチホーム環境などの当初は想定されていなかったネット ワーク環境で使用された場合には通信速度を抑制する要因となり得ます. 本研究では,LTEとWi-Fiの両方を利用できるスマートフォン等のマルチ ホーム環境において通信速度の向上を図るMultipath TCPについて研究しています.

サーバ移動サービスに関する研究(岡山大学福島研,名古屋大学村瀬研との共同研究)

クラウドコンピューティング環境では,データセンターで稼働するサーバとユーザ端末で稼働する クライアントとの間の距離が離れている場合や経路が混雑している場合にそれらの間の通信品質が 劣化することがあります.本研究では,サーバの稼働場所となる計算機(WP: Work Place)がネット ワーク内にあらかじめ多数分散配置されているという前提の下で,クライアント・サーバ間の通信 品質の改善を図るサーバ配置決定アルゴリズムやWP容量設計方式について研究しています.

インターネットの対故障化技術に関する研究

インターネットを構成する機器(ルータやリンク)が故障した場合には膨大な数の通信が中断されて しまいます.本研究では,インターネットで故障が発生しても引き続き通信を継続できるような 迂回ルーティング方式について研究しています.

IoTによるスマートコミュニティ技術に関する研究

IoT(Internet of Things)機器の普及に伴い,様々な機器から収集した情報に基づいた制御が行われ るようになりつつある.特に家庭や職場といった,人の身近な環境における機器制御では,消費電力 の削減等の目的だけでなく,人への影響も考慮しなければならない. 本研究では,IoT機器から収集した情報に基づいて,快適なスマートコミュニティを構築する方法について研究しています.

音声認識システムのセキュリティ技術に関する研究

スマートスピーカやAIアシスタントを代表とする音声認識システムを利用する機器は,家庭や医療現場等で 操作インタフェースの一つとして注目されている.これらの機器は,動作に個人を識別していないため, スピーカ等から発せられた攻撃音声によって,不正操作される恐れがある. 本研究では,音声認識システムへの攻撃に対する防御策について研究しています.

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