子宮内膜症の主な症状
月経時の下腹部痛や腰痛が典型的な症状として知られていますが、実際には、月経以外の時期にも下腹部の違和感や軽い痛みを感じる方が多いことも知られています。子宮内膜症により、下腹部の臓器どおしが癒着を起こしていると、腸が動いたときなどに,そのくっついた部分がひきつれるようになり痛みが出ると考えられています。また、子宮の後ろには大腸があり、この子宮と大腸の間に子宮内膜症は発生しやすいため、排便時に硬い便が通ろうとすると刺激になって突き上げるような痛みが出ます。性交渉の時もこの部分に当たると激痛が起きることがあります。
子宮内膜症の痛みに関する症状は、1998年の厚生科学研究によると、以下のような頻度であること知られています。
下腹部痛 71%
腰痛 51%
性交痛 28%
排便痛 16%
しかし、何となくお腹が張るとか,何となく違和感があるなどの症状が、月経中以外にもあることが多いのも知られており、月経中の症状のみにとらわれると、子宮内膜症を見逃してしまう場合もあります。
他にも、子宮内膜症の症状として過多月経があります。月経時にレバーのような血のかたまりが出てきたり、月経がなかなか止まらず長引いたりします。これが続くと貧血となっている場合もありますが、徐々に貧血になっていった場合は、体が順応していくため、立ちくらみや息切れなどの症状が出にくいこともあります。
また、自覚症状はありませんが、子宮内膜症では、卵管の先が癒着したり、卵子や精子に有害な物質を含む腹水がたまったり、また、子宮内の内膜にも変化が出て着床がうまくいかなかったり。種々のことから、不妊症の原因になることがあります。