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岡山大学自然生命科学研究支援センター 分析計測・極低温部門 分析計測分野 Department of Instrumental Analysis Advanced Science Research Center
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 自然生命科学研究支援センター 分析計測・極低温部門 分析計測分野

 「沿革と将来構想」

H12-21 10年間 概略

(1)沿革
本分野の前身は,平成9年4月に省令施設として設置された機器分析センターである。当センターの設置にあたっては,大学院自然科学研究科を中心にその基礎5学部(理学部,薬学部,工学部,環境理工学部,農学部)間で協議が重ねられ,自然科学研究科から概算要求を続けることにより実現した。機器分析センター発足にあたっては,設立準備委員会が置かれ,学内科学計測機器の調査を行い,約20機種が共同利用機器として登録された。センター職員は,センター長(併任)岩見基弘,助教授1名花谷正,助手3名,技官1名(各専任)で構成され,職員室を自然科学研究科棟に間借りして,上記学内機器の共同利用の推進等についての業務を開始した。平成12年2月,共同研究や先端的研究の推進を目的として竣工したコラボレーション・センター棟(6階建て,4074 平米)内の1階から3階に機器分析センター専有のスペース(1130 平米)を確保し, 14の測定室には学内共同利用機器の中から選ばれた23機の分析装置が移設された。平成12年4月には,中島利勝第二代センター長の後任に柏野節夫教授が併任され,利用者の登録,設置機器の公開,利用説明会の開催など,各装置管理責任者の協力を得て,円滑な機器利用と活発な教育・研究の推進のための本格的な活動が始まった。以降,学内の需要に応えるべく,最新の分析機器を導入する努力を続け,平成13年3月には5装置が移設された。平成13年4月には,柏野センター長の任期満了にともなって,吉田隆志教授がセンター長に併任された。平成14年には,学内LANによる「機器予約システム」が利用可能となった。さらに翌年末にはセンター設立以来要望の高かった600MHz 超伝導核磁気共鳴装置が導入された。平成15年3月に岡山大学自然生命科学研究支援センターが発足し,機器分析センターは同支援センターの分析計測部門として新たに業務を開始した。
平成15年4月には,吉田センター長の任期満了にともなって山田秀徳教授が部門長に併任され,センター職員には,花谷正助教授,及び西岡弘美助手の後任として,阿部仁助教授,及び砂月幸成助手が任命された。さらに平成16年4月には,仁戸田照彦助手の後任に金尾忠芳助手が任命され,機器分析センター時代からの職員は小坂恵助手と小林元成技術専門職員の2人となった。
法人化後の平成16年9月には,自然生命科学研究支援センター(支援センター)外部評価委員会が開催され,各部門からの紹介および活動報告に基づいて評価が行なわれた。その結果,評価委員の提言に従い,専門分野の異なる各部門の連携の中からの新たな動きを企画するため,また構成員の研鑽と親睦のために,各部門持ち回りの世話でセンターコロキウムを年1回開くことになった。平成16年12月に本部門の世話で自然生命科学研究支援センター第1回公開コロキウムが,学内外から100名を超える参加者を集めて盛大に開催された。平成19年度には,「化学系研究設備有効活用ネットワーク」に参加し,外部依頼の元素分析測定を開始した。また,高額機器の所在(岡山大学設置機器一覧表)をホームページで公開し,機器の共同利用に対する便宜を図った。平成21年4月には,分析計測部門は,分析計測・極低温部門の分析計測分野となり,また阿部准教授の後任に多田宏子准教授が任命されたことを機に,分析計測分野が提供するサービスを見直すべく,他大学の取り組みの調査,研究推進産学官連携機構研究推進本部との意見交換等を行い,全学サービス部門として行うべきことを検討した結果,まず機器の利用説明会の様子をビデオ撮影し,新たな利用希望者がいつでも装置の利用方法を見ることができるようにした。この年の補正予算で,ペプチドシーケンサー(島津製PPSQ-31A),ペプチド合成機(島津製PSSM-8),HPLC-Chip/4重極飛行時間型質量分析装置(Agilent製G4240型 HPLC-Chipキューブ,G6510A Q-TOF) ,生体高分子X線回折装置(リガク製Micro7hrm&R-Axis)が本分野に導入された。

(2)将来構想
 前身の機器分析センター設立時のいきさつから,本分野に設置されている機器は各部局から供出されたものが殆どで,その運用と維持管理をお願いしている機器所有教員に共同利用優先のサービスを提供してもらうには無理があった。この状況を改善するため,分析計測分野で直接管理する機器を増やす努力を続け,元素分析装置を導入し,依頼測定を開始した。また「化学系研究設備有効活用ネットワーク」の活動を通してHPLC-Chip/4重極飛行時間型質量分析装置を導入することができた。この質量分析装置は学内外からの依頼分析に応えることを約束した装置なので,技術職員(オペレーター)を配置して,広く学内外からの依頼分析やコアユーザーに対する装置の使用法指導ができるよう努める。補正予算で導入された他の装置も共同利用が前提となっていることから,同様の運用を目標とし,学内,「化学系研究設備有効活用ネットワーク」だけの利用にとどまらず,広く学外からの利用にも応じれば,教育・研究の推進に貢献できるだけでなく,地域産業の発展に先導的な役割も果たせるであろう。本分析計測分野における共同利用機器の運用,維持管理,サービス等が全国のモデルとなれるようにしていきたい。

平成22年4月

岡山大学自然生命科学研究支援センター
分析計測・極低温部門分析計測分野