AP Center 

岡山大学病院
侵襲性歯周炎センター

Aggressive Periodontitis Center at Okayama University Hospital

// 侵襲性歯周炎に関する研究への
  ご協力のお願い

LinkIcon ➡ エクソソームによる侵襲性歯周炎患者の病態解析に関する研究

// センターの概略

侵襲性歯周炎は,過去には若年性歯周炎とも呼ばれていました。中年期以降に多い一般的な歯周病(慢性歯周炎)とは異なり,早ければ幼児期や小児期から発症することがあり,進行が早いことが特徴です。また,家族性に発症することが多いので,遺伝的な因子の関与も疑われています。当センターでは,歯周病専門医が所属する歯科・歯周科部門を中心に,小児歯科,小児科,そして総合内科の4科を主要診療科として,診断と治療にあたります。さらに10の協力診療科等とも連携して,心のケアなども含めた幅広く医科歯科連携で診療にあたります。
 

主要診療科

    • 歯科・歯周科部門
    • 小児歯科
    • 小児科
    • 総合内科

 

メディカルスタッフ

    • 医師,歯科医師,看護師,歯科衛生士,歯科技工士等
   
 
 
Director : Prof. Shogo Takashiba (Dept. of Periodontics & Endodontics)
Co-Director : Prof. Michiyo Nakano (Dept. of Pediatric Dentistry)
Sub-Director : Assoc. Prof. Kazuhiro Omori (Dept. of Periodontics & Endodontics)

// 侵襲性歯周炎とは?

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

日本歯周病学会における侵襲性歯周炎データベース構築に向けた考え方

特徴

    • 早ければ小児期に,ときに3歳以前に発症する。患者は20歳までに重度の骨欠損,また,歯牙の喪失さえも来すことがある。
    • 10〜30歳代で発症。限局型と広汎型。罹患率は0.05〜0.1%。家族内発症例多い。
    • 一般歯科治療では難治性。

 

3つの亜型

健康な青年で発症

    • 旧 限局性若年性歯周炎
    • Aggregatibacter actinomycetemcomitansの感染頻度が高い。
    • 徴候は軽微。歯周組織精密検査によって発見され,X線検査で限局した深い(垂直的な)骨欠損が一般的に上顎中切歯と第一大臼歯に限局。
    • 骨欠損は成人の歯周炎よりも早く進行。

 
小児期で発症

    • 旧 前思春期歯周炎 (通常4歳までに診断;ほぼ全ての乳歯を喪失することあり )
      通常萌出後まもない乳歯に影響を及ぼし,広汎性急性増殖性歯肉炎と急速な歯槽骨破壊が顕著な特徴 。
    • 頻繁に中耳炎を発症。
    • 一部の患者では,永久歯が萌出する以前に疾患が消失。

 
原型の侵襲性歯周炎

    • 旧 急速進行性歯周炎(20〜35歳において発症 )
    • グラム陰性桿菌が多い: A. actinomycetemcomitansPorphyromonas gingivalisEikenella corrodensの感染頻度が高い。
    • 上記2亜群の診断未確定型と易感染性亢進等の後天性因子型がある。
 
 

小児を含めた若年者が多いので,早期の発見と治療,
さらには,心のケアが必要

 

  1. 基本は,通常の歯周炎と同様に,歯周基本治療による細菌感染源の除去である。 ただし,歯周炎の療法を始める前に,全身性要因を管理すべきである。
  2. 侵襲性歯周炎では,何らかの生体防御因子(免疫系や結合組織系の恒常性維持)に問題がある場合が多いので,抗生物質の投与を併用する。
    • 内服による全身投与:テトラサイクリン(TC)系の7-10日投与 (TC系には,歯肉溝に濃縮されること,コラゲナーゼを阻害して骨破壊を軽減すること,といった特徴がある)。
    • 歯周ポケット内への局所投与:ミノサイクリン軟膏を1回/週を4回投与(局所貯留性と徐放性の良いものを選択)
  3. 早期に外科療法を行い,細菌感染源を除去するとともに,歯周ポケットを外科的に除去して骨を整形することにより,患者が物理的に細菌を除去できるようにする(除去療法)。さらに,再生術(増殖因子や骨移植の応用)を行い,歯槽骨および歯根膜の再生を促す 。

 


長期経過観察症例の報告

 
ある侵襲性歯周炎患者の 26 年間における歯周病治療の経過
 ―血清 IgG 抗体価による歯周病原細菌感染度のモニタリング―

日本歯周病学会会誌日歯周誌 56(2):217 ― 226, 2014
 https://doi.org/10.2329/perio.56.217
 
結婚前から子育てを終了するまで: 24歳から26年間経過を追った報告
(1987年から現在も歯周病安定期治療のため通院中)
 

Annual Reports

 

年次毎にサマリーを掲載します。   LinkIcon PDFはこちら
Covid-19の感染拡大にもかかわらず,当センターを必要とされる方々は数多くいらっしゃいます。
地域のみならず,広く日本各地からのお問い合わせをいただいています。
ご相談は,お手数ですが,歯周病態学分野の『お問い合わせ』からご連絡ください。

 

侵襲性歯周炎センター
2021年 Data

Annual Summary of Aggressive Periodontitis Center as of December 31, 2021
 


 

1.稼働状況

1)受診状況
 


 
2)受診者の状況
 

 
3)治療等の状況
 

 

2.紹介の状況

1)曜日別 紹介患者数
 


 
2)年度別 紹介患者数
 

 
3)年度別 紹介患者(総数比)
 
Person in Charge
Summary : Assistant. Prof. Keisuke Okubo (Dept. of Periodontics & Endodontics)
Web Publishment : Prof. Shogo Takashiba (Dept. of Periodontics & Endodontics)

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