ダナゾール療法

ダナゾール療法

ダナゾール(商品名 ボンゾール)は性ステロイド系の薬剤で、カプセルを内服すると、脳の下垂体に作用し、ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の分泌を抑制し、卵巣からのエストロゲン(女性ホルモン)の分泌を抑制します。そのため、排卵がなくなり、月経もとまります。月経がなくなることから、月経に伴う症状(月経痛など)はなくなり、貧血も改善します。

ダナゾールは女性胎児の男性化をおこすことがあるので、妊娠していないことを確認してから、月経周期の2~5日目から開始します。また、治療中は避妊が必要です。

副作用として、にきび、体重増加、むくみ、肝機能障害、性器出血などがみられることがあります。一部、男性ホルモン作用をもっているため、まれに声が太くなったり、体毛が濃くなったりする場合があります。また非常にまれですが、血栓(血管内で血液が固まること)が起こることがあり注意が必要です。

ダナゾールは、月経をとめて子宮内膜症の治療をするのみではなく、病巣にも直接作用して病巣を小さくするとされています。内服の場合は、使用期間は4~6ヶ月間ですが、子宮内リングや膣錠にして局所のみに作用するようにして副作用を軽減し、長期間にわたって使用しようとする試みもあります。日本でも、一部の施設で行なわれていますので、ご相談ください。