夫の喫煙は、体外受精での妊娠率を半減する

体外受精させた胚を子宮内に戻した場合の,その女性の妊娠率をみると,本人か夫が喫煙していると,夫婦とも非喫煙者の場合の約1/2になってしまう.女性本人がタバコを吸わなくても,夫からの間接喫煙で,体外受精での妊娠率が低下することを示した初めての報告である.

 不妊症で体外受精を受けた女性225人を,(1)本人が喫煙,(2)夫のみ喫煙,(3)夫婦ともタバコを吸わない,の各グループに分けて治療結果をみると,卵子の状態,受精率には差がなかったが,妊娠率は,(3)のタバコを吸わない夫婦では25%だったが,(1)本人が喫煙の場合は12.0%,(2)夫のみ喫煙の場合は12.6%と低かった.(Human Reproduction 2005年5月26日)

 妊娠が進行しても,夫の喫煙は胎児に影響することも知られており,子供がほしい場合は,夫婦で禁煙した方が無難である.