女性アスリートと月経

女性アスリート(スポーツ選手)の三徴(3つの病的な特徴)として,「異常な食行動」,「月経異常」,「骨粗鬆症」が知られています.異常な食行動は,女子アスリートの15~62%に,無月経は3.4~66%に見られるとの報告もあります.無月経や希発月経になる率は,スポーツの種類によって異なり,長距離走では24.0~26.0%,サイクリングでは12.0%,水泳では12.0%,また,クラシックバレーでは6.0~79.0%などとされます.ノルウェイの女性エリート・アスリート(13~39歳,669名)と607名の対照女性とを比較した研究では,アスリートの方が初経は遅く,原発無月経の比率が高いこと,また,やせ型スポーツ選手では約1/4が月経異常であることが報告されています.

 月経異常の発症には,体脂肪率や摂食状況などが影響します.アスリートの方も,アスリートではない方も,ご自分のBody Mass Index (BMI)を計算してみて下さい.BMI= 体重(kg ) / 身長(m)x身長(m)です.身長はmですので気をつけてください.BMI<18.5はやせ,BMI≧25が肥満.BMI22前後が最も病気になりにくく健康とされます.

 

文献
・Birch K. Female athlete triad. BMJ. 330(7485):244-246, 2005.
・Torstveit MK, Sundgot-Borgen J. Participation in leanness sports but not training volume is associated with menstrual dysfunction: a national survey of 1276 elite athletes and controls. Br J Sports Med. 39(3):141-147, 2005.