不育症症例と精神的ストレス

不育症症例では、不妊症症例と同様に生児を得られない慢性的な状態とともに、体内にいた胎児が死亡するなどの喪失体験が精神的ストレスを強くしていると考えられる。特に胎児の喪失体験による精神的ストレスは、比較的短い時間経過の中で、ジェットコースターのように上昇と下降を繰り返すことが予想される。

時期別に、精神的に不安定になったかどうかを聞いたところ、過去の流産・死産時が,最も高率であり、76%が不安定になったと答えた。その後の妊娠していない時期には、精神的な不安定さを感じている症例は低下しているが、次の妊娠が判明すると、再び、精神的に不安定となる症例が増加し、42%の症例が精神的に不安定となり、妊娠が順調に進行していても、過去に流死産した妊娠週数になると約50%が不安定になったとしていた。

 

Nakatsuka M, Habara T, Noguchi S, Konishi H, Kudo T. Increased plasma adrenomedullin in women with recurrent pregnancy loss. Obstet Gynecol. 2003 Aug;102(2):319-24.
※日本不妊カウンセリング学会にて報告、 「学会賞」受賞