診察までにかかる時間

子宮内膜症と診断されるまでの期間

子宮内膜症の診断には、まず、本人が異常に気づき、その症状が産婦人科を受診した方が良いと判断し、産婦人科などを受診することが必要です。月経は痛いのが当たり前と思っていれば、少しくらいの痛みであれば、我慢する方も多いと思います。あるいは、月経痛のため、学校や仕事へ行けないほどであっても、産婦人科へは受診しづらくて、つい、そのまま何年も放置される場合もあります。

産婦人科を受診してからも、診断までには時間がかかることがあります。超音波検査で映る卵巣のチョコレート嚢胞などがあれば、比較的早く、子宮内膜症の診断がつきますが、子宮の表面を這うように広がっている病変は超音波検査では映りません。

4,000例の子宮内膜症の方を対象としたアメリカのNorth American Endometriosis Association Surveyでは、医療施設への受診までに平均4.67年、受診後から診断まで4.61年、合計して症状が出てから診断までに9.28年かかっているとの結果でした。

また、748例を対象としたオーストラリアのAustralian Endometriosis Societyの報告でも、症状自覚から受診まで1.7年、受診後から診断まで4.4年で、合計6.1年かかっています。15-19歳で症状を自覚した方では8.3年、30-34歳で症状を自覚した方では1.3年と、特に10代の女性では産婦人科を受診するまでにも、また、受診されても診断までにも時間がかかっていることが報告されています。

診断に20年以上かかった症例もアメリカでは18%、イギリスでは10%とかなりの割合を占めていました。