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今津勝紀「首長制論の再検討」(『歴史評論』626号、2002年6月)に掲載した図1のカラーバージョンです。この図は、北海道地図(株)のTerrain(10メートルメッシュのDigital Elevation Models,DEM)からつくりました。表示範囲は二次メッシュ四枚を接合し、縦横2.000メッシュの計4.000.000メッシュで構成しています(20キロ×20キロ相当)。南北比は補正していません。 このDEMをもとに、Idrisi32R2(Clark Labs)を利用して、水系(Runoff)と土地の傾斜(Slope)・流域(Watershed)を求めます。(1)傾斜3度以下の土地を用益するものとし、各メッシュには傾斜量にしたがい、9から0までの10段階の評価値を与えます(Reclass)。(2)近世の用益状况を勘案して、台地上の用水取得困難な場所を計算により除去します。(3)各メッシュを中心に、四至一キロ四方を用益するものと仮定して、その範囲の評価値を合算します。その上で、各メッシュの合算値のもっとも高くなる座標を求め、再びIdrisiにて図示したものです。小さな点は、流域(Watershed)を計算する際、閾値に小さな値を与え、谷水田程度の単位として集計した場合の中心点で、比較的自然なまとまりを示します。ティーセンポリゴンは、政治的人為が働くと仮定し、流域を考慮せずに、まとまりを求めたもので、各ポイントから1キロと2.5キロの同心円を描きました。ポイントの大きさは、相対的規模を表現します。当然のことですが、与える閾値やアルゴリズム次第でどのような計算結果も導き出すことは可能です。絵図や考古学のデータ、近世の在り方などを参考に蓋然性の高い閾値を求めることが課題です。 なお、処理はPerlで行いました。Perlは簡単ですが時間が掛かりすぎるので、Cをお奨めします。
 
最終更新日 2013/03/30