JICA草の根プロジェクト「カンボジア・トンレサップ湖における水上集落住民参画型プラスチック汚染対策」事業

海洋プラスチックの生態系への影響が明るみに出て、プラスチックの良さである耐久性が環境中へ廃棄された際には難分解性という地球にとってやっかいな性質に変わることが人々に認識され始めました。プラスチック袋の有料化や代替品利用によるプラスチック製品の利用制限などのプラスチックを使用する側の対策は進められていますが、プラスチックを不用意に環境中に捨てないようにする対策が最も重要です。ごみの収集や処理が経済的理由により行われていない場所が発展途上国を中心として世界に多くあります。発展途上国では安くて丈夫なプラスチックを多量に利用することから、排出側の対策をしないとプラスチックごみの海洋への流出は止められないと考えられます。「ごみの収集サービスがなく、棄てられたプラスチックが海洋プラスチックになりやすい地域には、住民参画型のプラスチックごみ分別回収システムをつくる必要がある」という考えから、カンボジア・トンレサップ湖の岸辺に水上集落を作って住む人々を対象に、プラスチックごみの分別回収を推進する事業を企画しました。そこでは人々が日常的にごみを水面に投棄し、雨季に増量した湖水が棄てられたごみを下流に押し流し、一部はトンレサップ川、メコン川を通って太平洋に流れてゆきます。本事業は、カンボジア王立プノンペン大学をカウンターパートとし、カンボジア環境省、州事務所、JICA事務所、村落コミューンなどの組織、および民間のごみリサイクル業者などとのネットワークを形成しながら進めてゆきます。

事業期間: 2022年4月8日~2022年4月7日(2年間)
事業メンバー・団体:
→事業主体(日本側)
・藤原健史、築地 淳、哈布尓(ハボル) (岡山大学大学院環境生命自然科学研究科所属)
・澁谷和朗、藤田かおり(独立行政法人国際協力機構(JICA) 中国センター)
→事業協力(現地側)
・Vin Spoann, Phat Chandara(カウンターパート 王立プノンペン大学)
・小川紀子、渡邊吉子 (独立行政法人国際協力機構(JICA) カンボジア事務所)

2022年04月01日