第11回釧路生命倫理フォーラム

  • 2024年8月3日(土)・4日(日)
    「釧路市民活動センター わっと」会議室2
    (一部補助的なオンライン配信アリ(Zoom)、事前申込必要)
      http://www.kushiro-bunka.or.jp/saiwai/
    (令和4年度科学研究費基金基盤研究(C) 「「現代における診療拒否の諸相」の解明を通じた医療提供及び患者支援に関する研究」課題番号22K10480)
  • フライヤー(pdf)

  • 8月3日(土)
    [科研・合同研究会] 10:00-12:30 
    (中塚科研「LGBTQ当事者の家族形成実現とライフプラン教育の社会実装への相互深化モデル形成」・宍戸科研「「現代における診療拒否の諸相」の解明を通じた医療提供及び患者支援に関する研究」) 
  • ①「性別変更特例法をめぐる近時の状況と調査研究への影響について」 
    宍戸圭介(岡山大学ヘルスシステム統合科学研究科教授)
  • 調査に係る準備状況の報告、打合せ
    オーガナイザー: 宍戸圭介(同上)

  • 【個別報告】 13:30-17:00
  • 続・生命科学指針重箱帖――分からないところ、悩むところ」
    丸山英二(神戸大学名誉教授)
    (丸山科研「医学研究の適正実施の確保・推進のための比較法的・実証的研究」) 
  • ②「医療の情報化に伴う法律問題-ドイツの法状況の現状と課題」
    山下登(岡山商科大学教授)
  • ③「大学の柔道授業における倫理・道徳的指導に関する考察」
    菊川顕(岡山商科大学講師)
  • ④「汎用AGIとSingularity のELSIをめぐって」
    村岡潔(岡山商科大学客員教授・元西本願寺あそか診療所院長)
  • ⑤「なぜ中間組織は必要なのか」
    藤井大児(岡山大学ヘルスシステム統合科学研究科教授)・大島珠子(国際医療福祉大学講師)
  • 司会:粟屋剛(岡山商科大学特任教授)・宍戸圭介

  • 8月4日(日)
  • 【科研シンポジウム】「新型コロナウイルス感染症拡大下の高齢者とその後」 10:00-12:30
    (船木科研「新型コロナウイルス感染症拡大下における、独居高齢者の孤立化に関する実証的研究」主催) 
  • ①「社会との関わりと孤独――日独の比較」
    船木祝(札幌医科大学医療人材育成センター准教授) 
  •  ②「高齢者との関わりから考える地元創成看護」 
    竹内美妃(キャンナス釧路代表)
  • 「コロナ禍における独居高齢者の心の安定について―東京でのインタビュー調査から―」 
    小館貴幸(立正大学非常勤講師)
  • 「高齢者と現代」 
    宮嶋俊一(北海道大学大学院文学研究科教授)
  • 「独居高齢孤独死予備軍のための死生論」 
    粟屋剛(岡山商科大学特任教授)
  • 「高齢者の健康と幸福について」 
    森満(北海道千歳リハビリテーション大学特任教授)
  • 質疑応答・総合討論
  • オーガナイザー:船木祝(札幌医科大学医療人材育成センター准教授)
    司会:船木祝 

  • 【個別報告】 14:00-14:30
  • ①「農業者の障がい者感と雇用後の変化」
    大島珠子(国際医療福祉大学)

  • 【ワークショップ】《市民公開ワークショップ:予防医学とワクチン医療の有用性と困難性(アポリア)》14:45-17:00 
  • (村岡科研「感染症流行時等、患者・家族への医療者・介護者のあるべき接遇の倫理的法的社会的研究」課題番号24K13328関連) 
  • オーガナイザー:村岡潔(岡山商科大大学・京都府立医科大学客員教授・バイオポリティカルサイエンス研究会)
  • 司会・コメンテーター: 宍戸圭介(岡山大学ヘルスシステム統合科学研究科教授)
  • 予定報告者・報告タイトル:
  • ①「パンデミック対策としての面会制限下における心のケアとは」
    福永憲子(岡山商科大学研究員)
  • ②「新形コロナ感染症対策の再考」
    黒野利佐子(神戸常磐大学准教授)
  • ③「ワクチンの正否をめぐって〜HPVワクチンへの私見」
    打出喜義(金城大学教授、交渉中)
  • ④「総論:予防医学・ワクチン療法の難を超えて」
    村岡 潔(同上)

第10回釧路生命倫理フォーラム

  • 2023年8月11日(金)・12日(土)
    「釧路市交流プラザさいわい」208号室
    (オンライン配信アリ(Zoom)、事前申込必要)  http://www.kushiro-bunka.or.jp/saiwai/
    (令和4年度科学研究費基金基盤研究(C) 「「現代における診療拒否の諸相」の解明を通じた医療提供及び患者支援に関する研究」課題番号22K10480)

  • 8月11日(金) 
  • [科研・合同研究会] 10:00-11:30
    (中塚科研「LGBTQ当事者の家族形成実現とライフプラン教育の社会実装への相互深化モデル形成」・宍戸科研「「現代における診療拒否の諸相」の解明を通じた医療提供及び患者支援に関する研究」) 
  • ①「トランスジェンダー当事者の家族形成:性同一性障害特例法の壁」
    中塚幹也(岡山大学大学院保健学研究科教授)  
  • ②「タイにおける性別変更手術−先行研究の整理−」
    宍戸圭介(岡山大学ヘルスシステム統合科学研究科教授) 
  • 研究・調査に関する打合せ
    オーガナイザー: 宍戸圭介(岡山大学ヘルスシステム統合科学研究科教授)

  • [個別報告] 13:00-15:30 
  • ①「「悪」の序論的研究」
     粟屋剛(岡山商科大学特任教授) 
  • ② 「生成AIは、なぜ哲学や倫理の問題になるのか?」
    村岡潔(岡山商科大学客員教授・元西本願寺あそか診療所院長) 
  • ③「Covid-19流行下における病院・高齢者施設の面会制限に関する考察」 
    福永憲子(佛教大学研究員)  
  • 司会:宍戸圭介(岡山大学ヘルスシステム統合科学研究科教授)

  • [科研研究会] 15:40-16:50 
    (加藤科研「非標準的治療等の先行の検討を通した多文化にセンシティブなインタラクションの支援」主催) 
  • ① “Spirituality in Conventional/Non-conventional Medicine」”
    霜田求(京都女子大学現代社会学部教授)

  • ②「良心をめぐる最新の動向 - 脳死判定、無輸血、スピリチュアリティ」
    加藤穣 (滋賀医科大学医学部教授)
  • 研究打合せ
    司会:加藤穣(滋賀医科大学医学部教授)

  • 8月12日(土) 
  • [科研シンポジウム]「新型コロナウイルス感染症拡大と高齢者」 10:00-12:20
    (船木科研「新型コロナウイルス感染症拡大下における、独居高齢者の孤立化に関する実証的研究」主催) 
  • ①「コロナ禍を乗り越えるための、独居高齢者の人付き合いにおける知恵」
    船木祝(札幌医科大学医療人材育成センター准教授)
  • ②「これまで酪農業を支えてきた高齢者と地域看護の力で今の酪農危機を乗り越える」
    竹内美妃(キャンナス釧路代表)
  • ③「コロナ禍の行動制限が独居高齢者の自立と自律に与える影響」
    小館貴幸(立正大学非常勤講師)
  • ④「コロナ禍における高齢者の状況と課題-日独の比較から-」
    宮嶋俊一(北海道大学大学院文学研究科教授)
  • ⑤「高齢者が自宅での生活を中断し、施設等へ入所するリスクに影響する要因」
    森満(北海道千歳リハビリテーション大学特任教授)
  • 質疑応答・総合討論
  • オーガナイザー:船木祝(札幌医科大学医療人材育成センター准教授)
    司会:粟屋剛 (岡山商科大学特任教授)

  • [個別報告]13:50-14:40
    (丸山科研「医学研究の適正実施の確保・推進のための比較法的・実証的研究」)
  • 「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和5年3月改正)概要」
    丸山英二(神戸大学名誉教授)
  • 司会:粟屋剛(岡山商科大学特任教授)

  • [シンポジウム]《市民公開シンポジウム:特別講演と鼎談「今こそ、倫理を考えましょう!」》14:50-16:50
  • オーガナイザー:村岡潔(岡山商科大学客員教授・バイオポリティカルサイエンス研究会)
  • ❶「趣旨説明」村岡 潔(同上)〔5分〕
    ロシアの軍事力行使でウクライナが再び戦火を浴びてから早500日。このセッションでは、こうした世界各地の戦争や人権侵害に対して、対岸の火事としてではなく、真正面から人権や生命倫理の問題として考えてみるシンポジウムです。日本は、今、果たして平和なのか?
  • ❷基調講演:「「正しい」戦争とは? 平和のために考えよう」〔45分〕
  • 眞嶋俊造(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授)
     「特別講演:正しい戦争はあるのか?」
  • 資料:眞嶋俊造著『正義の戦争はあるのか?』大隈書店、2016年
  • 〔休憩10分〕
  • ❸鼎談と全体討論〔60分〕
  • 司会・粟屋 剛(岡山商科大学特任教授・前釧路市議会議員)
  • *鼎談:眞嶋俊造・村岡 潔・粟屋 剛
    基調講演をふまえて、「正義の戦争はあるのか?」、国家と個人はどちらが優先されるべきか?武器の輸出は参戦とどう違うのか?「自分」の判断で相手を殺戮するAI兵器(兵士)の責任はどこにあるのか?もし北海道へのロシアの侵略があったら?等々、などの多方面の問題に市民を交えて討論したい。会場との質疑応答は、随時行います。

第9回釧路生命倫理フォーラム

  • 2022年8月27日(土)・28日(日)
    現地会場中止 → オンライン開催
    (令和4年度科学研究費基金基盤研究(C) 「「現代における診療拒否の諸相」の解明を通じた医療提供及び患者支援に関する研究」課題番号22K10480)

  • ●8月27日(土)
  • [科研・合同研究会]  10:00-12:00
    (中塚科研「LGBTQ当事者の家族形成実現とライフプラン教育の社会実装への相互深化モデル形成」・宍戸科研「「現代における診療拒否の諸相」の解明を通じた医療提供及び患者支援に関する研究」)
    オーガナイザー: 宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授) 
  • ①「精子提供における日本、中国大陸、台湾の法律の比較とLGBTQ」」 
    于麗玲(岡山大学大学院保健学研究科非常勤研究員)
  • ②「生殖補助医療と自己決定権―近時の裁判例よりー」
    宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授)

  • [個別報告]  13:30-15:30 
    司会:宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授) 
  • ①「「反ワクチン言説」の陥穽」 
    打出喜義(金城大学医療健康学部教授)
    指定コメント:小川正嗣(NPO法人学遊、運営委員) 

  • [個別報告]  15:50-17:00
    司会: 宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授) 
  • ②「看護倫理におけるケアリング理論とはなにか?」 
    小野年弘(千葉大学大学院看護学研究科)

  • ●8月28日(日)
  • [科研シンポジウム]「新型コロナウイルス感染症拡大下における、高齢者の状況」  10:00-12:30
  • (船木科研「新型コロナウイルス感染症拡大下における、独居高齢者の孤立化に関する実証的研究」主催)
  • 趣旨
     超高齢社会を迎える日本において、人とのつながりにより高齢者の社会的孤立化を防ぐさまざまな方策が講じられてきた。しかし、くしくも新型コロナウイルスの感染症拡大によって、社会はこうした人とのつながりを避けるように促された。新型コロナウイルスの感染拡大下において、高齢者はどのような社会的、精神的状況に置かれていたのであろうか。本シンポジウムは、新型コロナ感染症拡大下における高齢者の状況を哲学・倫理学、生命倫理学、看護学、宗教学、公衆衛生学といったさまざまな視点から、分析、考察することを目的とする。 
  • オーガナイザー:船木祝(札幌医科大学医療人材育成センター准教授)
  • ①「コロナ禍の独居高齢者における『自助』」
    船木祝(札幌医科大学医療人材育成センター准教授)
  • ② 「高齢者と地域社会をつなぐ看護ーデイサロン15周年ー」
    竹内美妃(キャンナス釧路代表)
  • ③ 「コロナ禍における独居高齢者の生活状況と宗教の役割(仮)」 
    宮嶋俊一(北海道大学大学院文学研究科教授)
  • ④「コロナ禍における社会関連資本と自己制御感の健康への影響」
    森満(北海道千歳リハビリテーション大学学長)
  • ⑤ 「独居高齢者は死後の後始末をどうするのか?」
    粟屋剛(岡山商科大学副学長)
  • 質疑応答・総合討論

  • [個別報告]  14:00-15:30 
    (丸山科研「医学研究の適正実施の確保・推進のための比較法的・実証的研究」)
    司会:粟屋剛(岡山商科大学法学部教授) 
  • ①「生命科学・医学系研究倫理指針令和4年改正」 
    丸山英二(神戸大学名誉教授) 

  • 【個別報告】 15:50-17:00 
    司会:倉持武(元松本歯科大学教授) 
  • ②「AI(人工知能)は人格(person)たりうるか?」
    村岡潔(岡山商科大学客員教授・元西本願寺あそか診療所院長)  
  • 参考文献(有料記事):https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN241RV0U2A620C2000000/

第8回釧路生命倫理フォーラム

  • 2021年8月27日(金)・28日(土)・29日(日)
    現地開催中止 → ZOOM オンライン配信(事前申込必要)
    (平成 31(令和元)年度科学研究費基金基盤研究(C) 「新しい診療拒否」に関する学際的研究 19K01439) 

  • 8月27日(金)
  • 【科研研究会】
    (宍戸科研「新しい診療拒否」主催〈2021 年度第 1 回〉) 
    企画・オーガナイザー:宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授)
  • 学会公募シンポジウム「現代臓器移植のリアリティ」に向けた準備会議〈クローズド〉13:30-15:20
    参加者:粟屋剛(岡山商科大学法学部教授)、加藤穣(滋賀医科大学医学部教授)、張瑞輝(名古屋経済大学法学部准教授)ほか
  • 【研究報告】〈公開〉 15:40-17:00
    「緊急医療における近親者の同意と診療拒否の限界~中国民法典1220 条を手掛かりとして~」
    張瑞輝(名古屋経済大学法学部准教授)

  • 8月28日(土)
  • 【科研研究会】
    (加藤科研「非標準的治療等の先行の検討を通した多文化にセンシティブなインタラクションの支援」 主催) 
    企画・オーガナイザー:加藤穣(滋賀医科大学医学部教授)
  • 科研キックオフミーティング〈クローズド〉 10:00-11:30

  • 【個別報告】〈公開〉
    (中塚科研「配偶子凍結保存の増加と「ライフプラン」「ジェンダー観」の変化に関する学際的研究」に係る研究報告)
    司会:宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授)
  • ①「「卵子提供に対する日中越韓4か国の大学生の意識」―中国の北京と内モンゴルの比較―」 11:30-12:00
    于麗玲(岡山大学大学院保健学研究科非常勤研究員)
  • ②「LGBT当事者の家族形成への意識:生殖医療を中心に」 12:00-12:30
     中塚幹也(岡山大学大学院保健学研究科・岡山大学病院リプロダクションセンター教授)

  • 科研シンポジウム「新型コロナウイルス感染症拡大下における、高齢者の状況」〈公開〉 14:00-17:00
    (船木科研「新型コロナウイルス感染症拡大下における、独居高齢者の孤立化に関する実証的研究」主催)
  • 趣旨:
     超高齢社会を迎える日本において、人とのつながりにより高齢者の社会的孤立化を防ぐさまざまな方策が講じられてきた。しかし、くしくも新型コロナウイルスの感染拡大によって、社会はこうした人とのつながりを避けるように促された。まさに高齢者支援のための逆べクトルの方向に社会は動いた。そこで、新型コロナウイルスの感染拡大下における高齢者の置かれている状況が問題となる。本シンポジウムは、とくに感染症拡大下における独居高齢者の実情と課題を知らせるための機会になることが期待される。
  • オーガナイザー:船木祝(札幌医科大学医療人材育成センター准教授)
  • ①「新型コロナウイルス感染症拡大下における、高齢者の孤独」
    船木祝(札幌医科大学医療人材育成センター准教授)
  • ②「コロナ禍での酪農地域における高齢者との関わり―JAはまなかデイサロン活動を通じて―」
    竹内美妃(キャンナス釧路代表)
  • ③「コロナ禍における宗教の意義と限界―北海道における葬送儀礼の変容を中心に―」
    宮嶋俊一(北海道大学大学院文学研究科准教授)
  • ④「コロナ禍での生活習慣などの変化と健康悪化リスクとの関連性における社会的資本と自己制御感の影響」
    森満(北海道千歳リハビリテーション大学学長)
  • ⑤「高齢者のワクチン優先接種は「本音」か?」
    粟屋剛(岡山商科大学副学長)

  • 8月29日(日)
  • 【科研ワークショップ】〈公開〉 10:00-12:00
    (丸山科研「医学研究の適正実施の確保・推進のための比較法的・実証的研究」主催)
    司会:粟屋剛(岡山商科大学法学部教授)
  • 報告:「生命科学・医学系指針について」
    丸山英二(神戸大学法学研究科名誉教授)
  • コメンテーター:①倉持武(元松本歯科大学教授)、②鵜飼万貴子(白水法律事務所)
  • 質疑応答・総合討論

  • 【入澤科研&稲垣科研共同RTD】「第三者が関与する生殖とセクシュアリティを巡る RTD―子どもがいないことは悲しむべきことなの か?真の多様性を考える―」〈公開〉 13:30-17:00
    (入澤科研「不妊患者のプライバシーと子の出自を知る権利の在り方―真実告知体制の構築―」及び稲垣科研「LGBTAの人々の互助関係の研究――超高齢社会のコミュニティ形成の一モデルとして」主催)
  • RTDの概要:
    日本は世界有数の不妊治療大国であり、体外受精の技術が進んだ現代社会においては、生殖ツーリズムや配偶子提供型生殖補助医療(DC)の普及により、「出自を知る権利」を初めとする様々な法的・倫理的課題が生じている。2020年12月に成立した「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」では、不妊夫婦のDCの利用を踏まえた条項が作成された。しかし、日本産科婦人科学会はDCをどのような形態で医療として認めるかの声明を出しておらず、また本法ではシングルやセクシャル・マイノリティのDCの利用は想定されていない。その一方で、国内でDCが広く行われることを期待する市民の声や、国内初の民間精子バンクの立ち上げの動きがある。
    「子どもを欲しい」という気持ちは、婚姻形態やセクシュアリティに関わらず、誰でも抱き得る願望であり、DCの利用は不妊夫婦だけではなく、セクシュアル・マイノリティやシングルにとっても「子どもをもつ」というライフプランを可能にした。そして現代社会では、子の養育を前提とせずに、「子どもを持つ手助け」のみを行う形で、SNS等を通じてドナー活動を行っている人も多数存在し、「家族=戸籍に記されたコミュニティ」という概念が覆されようとしている。
    このような社会状況から、メディアは「生殖の自己決定権は多様になった」、「セクシュアル・マイノリティが子を持てる時代になった」等と評価するが、それは果たして正しいのであろうか。メディアを通じたリアルでは必ず当事者の声も編集され、ある属性に属する特定の人物の語りが、「その属性全体の声」のように扱わる傾向もある。たとえば、不妊や子どもがいない人生は「悲しむべきもの」と語られることが多いが、それは万人に当てはまるのだろうか。出自を知る権利を巡る議論では、AID児の声ばかりが拾われるが、なぜ「親」は当事者として扱われないのだろうか。AID児の親の役割は告知までなのだろうか。SNSドナーを巡る問題では、女性が被害者として語られることが多々あるが、ドナーは加害者にしかなり得ないのだろうか。
    本RTDでは、性カウンセリングで見受けられるセクシュアリティを巡るジレンマ、SNSを通じて精子提供を行っている個人ドナーの調査報告、AIDで子どもを授かった夫婦のドナーに対する想い、LGBTQの挙児状況のリアル、個人の家族形成に関してのナラティブを通じて、現代社会における「子」の意義と家族形成における真の多様性を考察する。 
  • 企画・司会:入澤仁美(順天堂大学非常勤助教)
  • 話題提供:
    ①「レシピエント(親)は配偶子ドナーの情報をどこまで得るべきか」
     三浦隆・喜美子夫妻(仮名、AIDで子供を授かった夫婦)
    ②「LGBTQ の家族形成の現状とこれから」
    長村さと子(LGBTQ 子供のいる未来を 一般社団法人こどまっぷ代表理事)
    ③「心理支援の現場にみられる異性愛主義的社会の問題点ー性相談および青年期の臨床を中心に」
    水野礼(名古屋市立大学大学院人間文化研究科研究員)
    ④「国内精子ドナーの胸のうち――クライアントへの思い、精子提供で生まれた子どもへの思い――」
     新田あゆみ(上智大学大学院実践宗教学研究科死生学専攻博士後期課程)
    ⑤「若年層異性愛者の男性の『私』が、こどもについてどう考えるか」
     今福亮(名古屋大学大学院 人文科学研究科博士後期課程)
    ⑥「ART(生殖補助技術)利用における多元主義から考える、社会における子どもの意義の検討」
    村岡潔(西本願寺あそか診療所所長、岡山商科大学客員教授)
  • コメンテーター:稲垣惠一(日本赤十字豊田看護大学非常勤研究員)
  • 質疑応答・総合討論

第7回釧路生命倫理フォーラム

  • 2020年8月28日(金)・29日(土)・30日(日)
    全日程オンライン(Zoomライブ)
    主催:釧路生命倫理フォーラム実行委員会
    共催:くしろ長期滞在ビジネス研究会
    後援:釧路市

  • 8月28日(金)
  • 【個別報告】
    司会:宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授)
  • ①「「精子・卵子凍結」に対する日中越韓の大学生意識―追加調査分析結果―」10:00-11:30
    于麗玲(岡山大学大学院保健学研究科非常勤研究員)
    コメンテーター:山下登(岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科教授)
  • ②「コロナ禍と文明のリセット」 13:30-15:00
    粟屋剛(岡山商科大学法学部教授)
    コメンテーター:倉持武(元松本歯科大学教授)

  • 8月29日(土)
  • 【科研シンポジウム】[渡航移植患者の受入れをめぐる ELSI(倫理的・法的・社会的問題)]
    (宍戸科研「新しい診療拒否」主催〈2020 年度第 1 回〉)
    司会兼オーガナイザー:宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授)
  • 報告 10:00-11:30
  • ①「帰国患者の受入拒否問題について」 
    宍戸圭介(岡山商科大学法学部教授)
  • ②「中国渡航移植患者アンケート結果の分析」
    粟屋剛(岡山商科大学法学部教授)
  • 話題提供 13:00-17:00
  • ③「私の渡航移植体験」
    H 氏(肝臓移植患者)
  • ④「渡航移植―なぜ帰国後、面倒を見てもらえないのか?―」
    S 氏(腎臓移植患者)
  • コメンテーター: 野村正良(えひめ移植者の会)
  • 質疑応答・総合討論

  • 8月30日(日)
  • 生命倫理ワークショップ「Before コロナと After コロナで、人生会議の在り方は変わるのか」 10:00-12:00
  • 企画・司会:入澤仁美(兵庫医科大学先端医学研究所非常勤講師)
  • ①「ACP の意識調査から死生観を考える」
    冲永隆子(帝京大学共通教育センター准教授)
  • ②「ジェロントロジー哲学 温故知新」
    高橋亮(仙台大学体育学部健康福祉学科教授)
  • ③ナラティブから見る当事者性~メディカルカフェ Le Moi の活動を通じて」
    入澤仁美(兵庫医科大学先端医学研究所非常勤講師)
  • コメンテーター:村岡潔(西本願寺あそか診療所所長、岡山商科大学客員教授)
  • 質疑応答・総合討論

  • 【公開講座】「血縁を重視する家族形成における倫理的課題の検討」(入澤科研、稲垣科研共同RTD) 14:00-17:00
    企画・司会:入澤仁美(兵庫医科大学先端医学研究所非常勤講師)
  • ①「血縁主義をどう考えるか〜母親も父親も一人でなければならないという必要はない〜」
    村岡潔(西本願寺あそか診療所所長、岡山商科大学客員教授)
  • ②「DNA親子鑑定の実際(仮題)」
    松村憲治(松村総合法務事務所所長、行政書士)
  • ③「『傾錯』という観点から血縁主義と搾取の関係を考える」
    水野礼(名古屋市立大学研究員、精神保健福祉士)
  • ④「出自を知る権利をめぐる親の想いー告知の実際からの検討ー」
    入澤仁美(兵庫医科大学先端医学研究所非常勤講師)
  • ⑤「同性愛者と子どもーレズビアンとゲイの調査及びその声」
    稲垣惠一(静岡文化芸術大学文化政策学部非常勤講師)
  • 質疑応答・総合討論

第6回釧路生命倫理フォーラム

  • 2019年8月8日(木)〜11日(日)
    釧路市観光国際交流センター
    主催:釧路生命倫理フォーラム実行委員会
    共催:くしろ長期滞在ビジネス研究会
    後援:釧路市、釧路市医師会

  • 8月8日(木)
  • 【個別報告】10:00-11:30
    司会:中塚晶博
  • ①「正義と忠義の関係に関する一考察」
    粟屋剛(岡山商科大学法学部教授)
  • ②“Legislation and Implementation of the Act on Decisions on Life-sustain Treatment of 2017 in South Korea”
    Young-Mo Koo, Associate Professor, Department of Medical Humanities and Social Sciences, University of Ulsan, Seoul, Korea

  • 【科研研究会】「手術誘因と医師の裁量につい て」(粟屋科研「手術誘引研究」主催)13:00-15:00
    司会兼オーガナイザー:粟屋剛
  • ①「外科的予防医学の生命倫理的問題点: 未破裂動脈瘤の予防的手術と予防的乳房切除術をめぐって」
    村岡潔(医師・佛教大学社会福祉学部教授)
  • ②「手術誘引パターンの研究―札幌医科大学心臓移 植事件、慈恵会医科大学青戸病院事件、熊本大学医学部付属病院事件の比較―」
    粟屋剛(岡山商科大学法学部教授)
  • コメンテーター:倉持武(元・松本歯科大学教授)
    Commentator:Young-Mo Koo, Associate Professor, Department of Medical Humanities and Social Sciences, University of Ulsan, Seoul, Korea

  • 【科研研究会】「超高齢社会における正義と生 命倫理」(中塚科研「認知症と人権」主催)15:30-17:00
    司会兼オーガナイザー:中塚晶博
  • ①「認知症者の人権保障をめぐるジレンマと、医療者の役割について」
    中塚晶博(医師、東北大学未来科学技術共同研究センター准教授)
  • ②「認知症高齢者の不法行為が抱える法的・社 会的課題と対応」
    山本克司(修文大学健康栄養学部教授)
  • コメンテーター:倉持武(元・松本歯科大学教授)

  • 8月9日(金)
  • 【科研シンポジウム】「リプロダクションと パートナーシップの可能性」(入澤科研「出自をめぐる倫理問題」、稲垣科研「LGBTXの家族形成」及び村岡科研「高度先端医療のELSI」合同主催) 9:30-11:30
    司会兼オーガナイ ザー:村岡潔
  • ①「ART の新たな利用法を用いた『遺伝的 繋がり重視の家族形成』に関する、いくつかの問題概説:生殖補助医療の新たな利用法(alternative usage of ART)の生命倫理」
    村岡潔(医師、佛教大学社会福祉学部教授)
  • ②「配偶子提供型生殖補助医療(DC)の倫理的・法的問題― AID が抱えた倫理的ジレンマ―」
    入澤仁美(兵庫医科大学医学部非常勤講師)[SKYPE or PPTプレゼン予定]
  • ③「性機能不全における『治療』を考える―制度・主体・イデオロギー―」
    水野礼(精神保健福祉士、名古屋大学人文学研究科大学院生)
  • ④「同性カップルと子どもを巡る法的問題―同性婚と同性パートナーシップにおける比較から―」
    佐久間悠太(東北大学大学院法学研究科大学院生)
  • ⑤「日本の LGBTX と家族、子ども―ゲイビーブームとの比較―」
    稲垣惠一(日本赤十字豊田看護大学看護学部非常勤研究員)
  • コメンテーター:倉持武(元・松本歯科大学教授)

  • 【科研シンポジウム】「予防医学の ELSI(倫理的法的社会的諸問題)〜いわゆる「子宮頸がんワクチン」をめぐって」(村岡科研「高度先端医療のELSI」主催)13:30-17:00
    司会兼オーガナイザー:村岡潔
  • ①「『子宮頸がんワクチン』」というコンセプトの生物医学的問題点」
    村岡潔(医師、佛教大学社会福祉学部教授)+打出喜義(医師、金城大学医療健康学部教授)[SKYPE or PPTプレゼン予定] 
  • ②「公衆衛生・科学言説におけるリテラシーとレトリック―HPV ワクチンを題材にして」
    佐々木香織(小樽商科大学言語センター准教授)
  • ③「HPVワクチン接種被害者が過剰な予防医学の犠牲者でもあることの社会学的考察」
    井上芳保 (元・札幌学院大学社会情報学部教授)
  • コメンテーター:倉持武(元・松本歯科大学教授)

  • 8月10日(土)
  • 【科研シ ンポジウム】「修復腎移植・渡航移植と応招義務」(宍戸科研「新しい診療拒否」主催) 9:30-11:30、13:30-17:00
    司会兼オーガナイザー:宍戸圭介
  • ①「修復腎移植・渡航移植と応招義務〜シンポジウム趣旨説明」
    宍戸圭介(岡山商科大学法学部長・教授)
  • ②「修復腎移植を巡って」
    近藤俊文(医師、市立宇和島病院名誉院長)
  • ③「腎移植のドナー・レシピエントに対する実態調査から見えてくること」
    高木美也子(東京通信大学人間福祉学部教授)
  • ④「医療における良心的拒否とアクセス保障―アメリカの事例を中心に―」
    加藤穣(石川県立看護大学人間科学領域准教授)
  • ⑤“Testemony and The Uyghur Situation inChina”
    Enver Tohti, Former Surgeon in China, UK (簡単な通訳あり)
  • ⑥“China Tribunal and Action Plan for Japan”
    David Matas, Human Rights Lawyer, Canada (簡単な通訳あり)
  • ⑦「渡航移植規制の正当化根拠」
    粟屋剛(岡山商科大学法学部教授)
  • ⑧「渡航移植患者の受け入れについて」
    小川由英(東和病院泌尿器科部長)
  • ⑨「応召義務―浜松医科大ケースについて―」
    宍戸圭介(岡山商科大学法学部長・教授)
  • コメンテーター:倉持武(元・松本歯科大学教授)

  • 全体懇親会  午後18:30-20:30

  • 8月11日(日)
  • 【個別報告】 9:30-11:30
    司会:中塚晶博
  • ①「地域包括ケアにおけるアドバンス・ケア・プランニングの試み―人工的水分・栄養補給を中心として―」
    和田泰三(医師、京都大学「東南アジア地域研究」研究所連携准教授)
  • ②「重度障害新生児の治療停止」
    山下登(岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科教授)
  • ③「次世代医療基盤法」
    丸山英二(神戸大学名誉教授)

  • 【市民向け公開シンポジウム】「人間の発達 段階から見た老年期」 13:30-17:00
    司会兼オーガナイザー:船木祝
  • ①「高齢者と生きがい」
    船木祝(札幌医科大学医療人育成センター准教授)
  • ②「近年の災害にみた高齢者への影響と平時の地域力」
    竹内美妃(看護師、キャンナス釧路代表)
  • ③「認知症者の生活環境・介護事情の現状と、その課題」
    中塚晶博(医師、東北大学大学院医学系研究科准教授)
  • ④「高齢者が共生できる社会環境づくりの現状」
    森満(医師、北海道千歳リハビリテーション大学学長)
  • コメンテーター:倉持武(元・松本歯科大学教授)

第5回釧路生命倫理フォーラム

  • 2018年8月7日(火)〜11日(日)
    釧路市観光国際交流センター
    主催:釧路生命倫理フォーラム実行委員会
    共催:釧路市

  • 8月7日(火)
  • 開会挨拶 14:00-14:05
    粟屋剛
  • 【科研研究会】「先端医療と手術誘因」(村岡科研「高度先端医療の ELSI」及び粟屋科研「手術誘引の研究」合同研究会) 14:05-16:50
    司会兼オーガナイザー:村岡潔
  • ①「先端医療における医師の説明義務―日独判例の比較を通して―」
    山下登(岡山大学)
  • ②「医師の裁量と患者の自己決定」
    村岡潔(佛教大学)
  • ③「産婦人科医の視点から手術誘引の動機と目的を分析する」
    打出喜義(小松短期大学)
  • ④「手術誘引研究―札幌医大心臓移植事件を契機として―」
    粟屋剛(岡山商科大学)
  • ⑤「手術誘引に関するケース報告」
    宍戸圭介(岡山商科大学)

  • 8月8日(水)
  • 【個別報告】 10:00-11:30
    司会:粟屋剛
  • 「税金と正義」
    加藤友佳(岡山商科大学)

  • 【科研研究会】「ART(生殖補助医療技術)を用いた新たな「遺伝的繋がり重視の家族」の出現に関する ELSI(倫理的、法的、社会的問題) 」(入澤科研「出自をめぐる倫理問題」及び村岡科研「高度先端医療の ELSI」合同研究会) 14:00-16:50
    司会:入澤仁美
  • ①「概説:生殖補助医療の新たな利用法(alternative usage of ART)の生命倫理」
    村岡潔(佛教大学)
  • ②「配偶子提供型生殖補助医療における不妊カウンセリング」
    長島史織(立命館大学)
  • ③「日本における性同一性障害と人権」
    山本克司(修文大学)
  • ④「判例から考える、生殖補助医療を利用した家族形成における法的、倫理的問題」
    入澤仁美(兵庫医科大学)

  • 8月9日(木)
  • 【個別報告】 10:00-11:30
    司会:粟屋剛
  • "Bioethics and Automobile Racing"
    Frank Yeruham Leavitt(Ben-grion University, Israel)

  • 【科研研究会】中塚科研「認知症と人権」研究会 14:00-16:50
    司会兼オーガナイザー:中塚晶博
  • ①「認知症高齢者をめぐる不法行為責任の課題と対策」
    山本克司(修文大学)
  • ②「続:超高齢重度認知症寝た切り患者の人工呼吸器や胃瘻を本人の同意なく外してよいか」
    粟屋剛(岡山商科大学)
  • ③「倫理原則としての手続き的正義の可能性について」
    中塚晶博(東北大学)

  • 8月10日(金)
  • 【個別報告】 10:00-11:30
    司会:粟屋剛
  • "How Artificial Intelligence is Reshaping Our Notion of Humanity: Dialogue of Japanese and American Cultures"
    Tyler L. Jaynes(Utah Valley University, USA)

  • 【個別報告】 14:00-15:00
    司会:山下登
  • 「わが国の医学研究規制の概要と臨床研究法」(AMED研究公正高度化モデル開発支援事業)
    丸山英二(慶應義塾大学)

  • 【個別報告】 15:30-16:30
    司会:粟屋剛
  • 「外科修練と医療倫理」
    藤倉義久(大分大学)

  • 8月11日(土)
  • 【市民向け公開対談】 10:00-11:30
    司会兼オーガナイザー:粟屋剛
  • ①「いのちの行方を聞く〜仏教における生死とは〜」
    佐藤明功(暁善寺副住職)
  • ②「死の解釈学―人間にとって、自分にとって、死はどのような意味を持つのか」
    粟屋剛(岡山商科大学)

  • 【市民向け公開シンポジウム】「続:老いの生―独居高齢者の生活」(船木科研「独居高齢者研究」主催)14:00-16:50
    司会兼オーガナイザー:船木祝
  • ①「独居高齢者の生活―個人としての生き方」
    船木祝(札幌医科大学)
  • ②「高齢者の生活と周囲との関係性ーキャンナス釧路の訪問看護の事例を通してー」
    竹内美妃(キャンナス釧路代表・看護師)
  • ③「心の故郷に暮らす人々~認知症者の幸福についての考察」
    中塚晶博(東北大学)
  • ④「あなたは誰と、どこで、どう生きていきますか」
    谷藤公紀(ふたば診療所所長)

  • 閉会挨拶 16:50-16:55
    粟屋剛

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