産業技術開発本部は、岡山大学産学官融合センターに2011年に設置されました。革新的なイノベーション創出による「かがやきのある日本」を実現するために、ひとつ屋根の下(under one roof)で、産業界と大学が連携して産業技術の開発を進めています。
ロゴマークについて
- 経済産業省のロゴマークの六角形、それに加え、化学品を象徴する六角形をベースにした、シンプルで飽きのこないデザインです。
- 「環境」のイメージから若葉のかたちで型抜きし、青と緑は大学と企業が強い絆と高い志のもと、産業技術の開発をともに進めることを意味します。
- カラーは日本ゼオン株式会社(RIMTEC社の株主)様のロゴに使われている青と緑に近い色を使用しています。
ロゴタイプについて
- 太いゴシックを使用し、力強さと(相互の)信頼感を表現しています。
参画企業
- RIMTEC株式会社
- ゼオンリム株式会社
主要な設備
試作触媒の製造設備
実用化研究では、ある程度の規模(量)で触媒を製造する必要があります。通常の実験室の設備では、一度にせいぜい10グラム程度の触媒しかつくることができません。RIMTEC株式会社と岡山大学が共同で設備整備を進め、10グラムからキログラム規模までの触媒試作が24時間体制で可能です。RIM成形樹脂製造用の触媒試作設備としては、我が国で最新鋭になります。2012年夏には設備の第1期工事が終了し、引き続き第2期工事が進められています。


主な会議体
「かがやきのある日本」実現のための懇話会 (未来へ向けた対話)
参考:革新的なイノベーション(社会変革)のために (参考:消費者庁 国民生活審議会 (第9次 国民生活審議会 総合政策部会報告))
私たちは、技術開発を通じてよりよい未来をつくるために、将来の社会のあり方・社会的課題をオープンに議論する機会を、産学官の関係者で定期的に設けています。その母体は、2010年に設立した産学官による新産業創出研究会です。この研究会活動を通じて、幅広い業種(異分野, 異業種)、学識経験者などからの意見交換を進めてきました。さらに、より広い階層からのご意見を伺うため、大規模展示会出展(東京ビッグサイト)を通じたユーザーの声の収集、地域住民(小中学生からその保護者のみなさま)まで、企業幹部が自ら現場に赴くCSR活動を通じて、さまざまな対話を続けてきました。
また、子供に未来の地球・都市の絵を描かせるなど、遊びをとりいれた作業を楽しくしてもらいながら、目指すべき将来像に向けての技術開発要素を拾う作業も進めました。また、具体的な技術開発要素の抽出にあたっては、経済産業省の「技術戦略マップ」も活用し、私たちの強みの客観分析も進めています。
- 2013年8月2日
平成25年度第3回フューチャーセッション 岡山リサーチパークおもしろ体験でぇーで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:科学するこころ - 2013年7月26日
平成25年度第2回フューチャーセッション 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:宇宙のフロンティア - 2013年3月31日
平成25年度第1回フューチャーセッション RIMTECふれあい桜祭り2013で実施:[倉敷市児島塩生字新浜]
テーマ:子供たちの笑顔のために - 2013年2月22日
平成24年度第5回フューチャーセッション 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:安全・安心の社会基盤の構築 - 2012年10月30日
平成24年度第4回フューチャーセッション 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ: - 2012年7月20日
平成24年度第3回フューチャーセッション 岡山リサーチパークおもしろ体験でぇーで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:子供たちの夢 - 2012年5月18日
平成24年度第2回フューチャーセッション 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:生命の母なる海 - 2012年4月2日
平成24年度第1回フューチャーセッション RIMTECふれあい桜祭りで実施:[倉敷市児島塩生字新浜]
テーマ:日本の四季 - 2012年2月16日
平成23年度第4回フューチャーセッション 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:未来の超高速輸送体 - 2011年11月17日
平成23年度第3回フューチャーセッション 東京ビッグサイト INCHEM TOKYO 2011 で実施:[東京都江東区有明]
テーマ:未来の軽量化社会 - 2011年11月8日
平成23年度第2回フューチャーセッション 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:エネルギーの未来 - 2011年6月2日
平成23年度第1回フューチャーセッション 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:あるべき将来社会


日仏次世代石油樹脂開発推進会議
革新的C5樹脂を生み出すため、フランスの企業と連携し、世界規模での技術動向・市場分析を進めています。
- 2013年7月9日
第2回推進会議 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀] - 2012年11月8日
第1回推進会議 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]


新産業創出研究会
中国地域の産学官が結集し、世界市場の制覇を目指す本共同研究開発は、さまざまな機関からご支援をいただいています。特に、(公財)ちゅうごく産業創造センターからは、2010年以降、新産業・新事業創出支援(新産業創出研究会)を受けており、年に3回程度、外部有識者もお招きして研究会を開催しています。
- 2013年7月26日
平成25年度第1回定例会議 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:超耐熱性石油樹脂製造用の次世代錯体触媒の開発 - 2013年2月22日
平成24年度第3回新産業創出研究会 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:超耐熱性石油樹脂製造用の次世代錯体触媒の開発 - 2012年10月30日
平成24年度第2回新産業創出研究会 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:超耐熱性石油樹脂製造用の次世代錯体触媒の開発 - 2012年5月18日
平成24年度第1回新産業創出研究会 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:超耐熱性石油樹脂製造用の次世代錯体触媒の開発 - 2012年2月16日
平成23年度第3回新産業創出研究会 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:錯体触媒法による次世代石油樹脂の新たな実用的製造技術の開発 - 2011年11月8日
平成23年度第2回新産業創出研究会 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:錯体触媒法による次世代石油樹脂の新たな実用的製造技術の開発 - 2011年6月2日
平成23年度第1回新産業創出研究会 岡山大学産学官融合センターで実施:[岡山市北区芳賀]
テーマ:錯体触媒法による次世代石油樹脂の新たな実用的製造技術の開発


戦略的な研究展開・連携に関する分野横断有識者会議
すみやかな研究展開を図るためには、専門分野を横断した情報収集と高度な解析が不可欠です。私たちの研究開発のさらなる推進のため、重要政策に関する情報の収集及び分析その他の調査および評価に関する有識者会議を設置しています。人文系研究者の参画も得て、国内外の確たる情報に基づくハイレベルの情報解析を随時進めています。
受賞 (研究成果)
- 2013年5月22日 (公財) 山陽技術振興会「第8回村川技術奨励賞」を受賞。「新用途向けグレードの石油樹脂を提供する新たな触媒技術」
- 岡山大学定例記者発表。
- 岡山大学ニュース。
- 日経プレスリリース。
- マイナビニュース。
革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)への対応
文部科学省が25年度より開始した「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」に、私たちは機敏に対応しています。23年度より継続して進めてきた未来へ向けた対話(フューチャーセッション)12回を踏まえ、あるべき社会像「活気ある持続可能な(Active Sustainability)社会の構築」に向けて「エネルギーをムダにしない究極の軽量化社会の実現」のために、革新的C5樹脂の技術開発を進めます。
「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」のビジョン実現のためのアイデア募集」への対応
- 2013年4月に、「奇」が先導する,新たな炭素社会への大転換(無用の用による,真に省エネ・省資源型の樹脂成形品製造技術)を、文部科学省へ提案しました。
「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」のビジョン実現のためのアイデア募集」への対応
- 2013年5月に、C5樹脂用の実用触媒へ向けた、新たな錯体触媒の性能評価を、研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP:科学技術振興機構(JST))へ提案しました。
産学・地域連携の理想像の追求
革新的なイノベーションを実現の手段としての、産学・地域連携の理想像を私たちは追求しています。我が国の先駆的な産学連携事業である国産合成繊維「ビニロン」を命名した大原總一郎、産学連携の研究所を設立した大原孫三郎に大いに学ぶべき点があります。
- 「合成1号」ビニロンの工業化 -先駆的な産学連携事業-
梶谷浩一 (岡山大学 研究推進産学官連携機構 参与, NPO法人 中四国アグリテック コーディネーター)
(独)科学技術振興機構(JST) 産学官連携ジャーナル
記事本文はこちら - 大原孫三郎 -善意と戦略の経営者
兼田麗子 (早稲田大学 客員准教授)
中公新書
紹介はこちら
産業技術の開発がもたらす学術研究への波及効果
産業技術の開発は、単なる応用研究ではありません。
実用化へ向けた課題達成のためには、現象の正しい把握(計測・解析)に加え、その原理を解明する必要もあります。このような解析的な研究は、従来知られていない、あるいは従来とは別の角度から進められるケースが多くあり、学術的な色合いが強まります。すなわち、実用化研究の根っこを深堀りすると、新しい学術研究課題が見えてきます。新たに見えてくる課題は、単なる学術研究のみの延長線上にはない、独特のテーマになりえます。
このような観点から、私たちは「産業界・社会の強いニーズに基づく課題達成型研究から、大学でしかなし得ない意外な着想の学術研究へつなげる」、産学共同の知的創造サイクルの大循環を心がけています。
例えば、γ-ブチロラクトンの製造研究 (産学共同研究:2006年 日本化学会技術進歩賞受賞) からは、廃水ゼロのアクリルアミド製造用の新触媒などが大学単独(NEDO、JSTなどが支援)で開発されました。この大学単独の成果が、現在進行中の石油樹脂製造用の新触媒開発に生かされています。