スタッフ

飯田征二教授からのご挨拶

Oral Science の探求とそれに基づいた口腔外科医療の実践

飯田征二
日本口腔科学会　評議員
日本口蓋裂学会　副理事長
日本口腔外科学会　理事・代議員
口腔顔面神経機能学会　理事

岡山大学病院は全国屈指の歴史を有する医学部の附属病院として、近代日本の発展とともに中四国における基幹病院としてその任を遂行してきました。
現在でこそ、歯科口腔外科が医科の中で必要な分野として認識されておりますが、戦前においては、医学は医学、歯学は歯学という独自のながれが存在しておりました。しかし戦後の教育改革とともに医学教育あるいは臨床における歯学の重要性が認識され、代表的な大学において歯科学教室が設置されはじめました。
岡山大学医学部では国立大学として東京大、九州大、大阪大に次いで全国で４番目に歯科学講座が設置され（昭和２４年）、これが、現在の岡山大学歯学部の創設の源となりました（昭和５５年設立）。当診療科はこの流れを直接汲む国内において屈指の歴史を有する口腔外科の診療科です。
当診療科は口腔外科全般の疾患を対象として診療を行っておりますが、特に、私どもの専門とする口唇口蓋裂や顎変形症といった顎口腔の成長異常に対する治療、顎顔面外傷などの歯科としての咬合などの口腔機能に対する専門性を必要とされる疾患の治療をその特色とし、また、集学的治療が必要な口腔がんに関しても当院口腔がん専門外来と頭頸部がんセンターのメンバーとして専従治療班をもって先進的な治療に当たっています。

口腔は、捕食や呼吸経路といった生命の維持にとって欠かす事のできない機能を担う重要な器官で、複雑な動きによってその運動は調節されています。そのため先天的、後天的に生じた様々な口や顎の不具合は快適な生活を行う上で非常に問題となります。また、この障害は、他人には理解されない悩みを含む事が多く、積極的に相談しにくい側面をもっております。しかし、悩みはある意味、病気の痛みと同様に、体が治療を欲しているサインともいえます。当科においてまず、相談をされ、治療に要否を含めて疾患と向き合う事ができれば幸いと思っております。

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