構造材料学研究室

「ナノ」から「宇宙」まで
未来を創る材料工学を学ぶ!!

構造材料学研究室

工業材料・生体材料・機能性材料など
新素材の開発に取り組む!!

構造材料学研究室について


構造材料学研究室は金属材料を対象にその組織を制御することで要求される特性を創成する研究を中心に行っている。特に工学部の研究室のミッションとして、ものづくりに役に立つ基盤研究と応用研究を心掛けている。現在、10件程度の研究テーマを企業ならびに公共機関のプロジェクトチームと共同で実行し、わが国の技術開発に 貢献することに注力するとともに、学生に実社会で要求されている研究・技術開発を体験させ、産学連携の工学教育の場としても活用させて頂いている。 研究活動と学生の育成では「百聞は一見にしかず」で自ら現象を観察することを特に重視している。当研究室は、最新鋭の電顕システム(FE-TEM+EDS+EELS、FIB、FE-SEM+EBSPなど)を用いることができる環境にあり、材料のミクロ・ナノの世界を探索することで、新たな発想を創出し、創造的な研究開発を推進している。また、観察された現象のメカニズムを考察し、それをモデル化することにも注力している。

研究室について

主な研究内容

鋳造・鍛造・プレス技術に関する研究

アルミニウム合金やマグネシウム合金をはじめとした軽金属の鋳造・鍛造・圧延プロセスの研究および技術開発に取り組んでいます。これらを通じて、自動車や航空宇宙が求めている新素材の開発に取り組んでいます。

水素脆化に関する研究

水素脆化とは、材料中に水素が吸収されることによって脆くなる現象であり、材料の高強度化により、脆化率は高くなるといわれています。自動車部品の軽量化による高強度材料に使用や水素燃料の使用において水素脆化の問題解決は必要になっています。

複合材料および機能性材料に関する研究

環境問題から工業部品の軽量化や機能性材料が注目されており、当研究室ではCFRPや圧電セラミックスの材料開発や信頼性評価の研究に取り組んでいます。

形状進展機能を有する新規チタン合金の開発

形状記憶合金とは異なり、変形させたい方向に少しだけ力をかけた状態で加熱すると、その方向に勝手に変形が進む合金です。高強度薄肉パイプ製造法への応用が期待されます。

微細析出物の高分解能透過型電子顕微鏡による観察(鉄鋼(左)、チタン合金(右))

材料に要求される機械特性を得るため原子レベルまで掘り下げた観察を行います。一般に構造材料では高強度が必要ですが、生体材料にはしなやかさが求められます。

スピノーダル分解によって形成されたチタン合金の微細組織

幾何学的な模様はTi-Mo合金の微細組織です。スピノーダル分解という相分離を経てMoの濃いところと薄いところが交互に現れ、複雑な組織を形成します。

Ti-6Al-4V合金の平面曲げ疲労試験

先進材料であるチタン合金を対象に、平面曲げの疲労試験を実施し、疲労き裂の発生挙動を詳細に観察するとともにその定量評価に繋げています。

結晶塑性解析の三次元モデル

微小疲労き裂の進展挙動を結晶塑性解析を用いてシミュレーションすることに取組んでいます。そのメカニズムを探り、将来的にはき裂の進展しにくい高耐久性の材料開発に繋げます。