個人情報や機密情報、さらには社会インフラを支えるシステムの安全を確保するためには、ハードウェアセキュリティの確立が不可欠です。ICカードやICT機器に加え、自動車や産業機器、IoT機器など、あらゆる製品が高度な電子システムに依存していますが、それらは情報漏えいや誤作動を狙ったさまざまな攻撃の対象となり得ます。代表的な例として、電磁波や消費電力の変動を利用するサイドチャネル攻撃、誤動作を誘発するフォールト攻撃、組込み回路の解析やハードウェアトロイの混入などが挙げられます。これらの攻撃により、暗号処理だけでなく認証・制御・安全機能までもが短時間で突破され、社会的に大きな被害をもたらす可能性があります。私たちは、このような幅広い脅威に対応するため、ハードウェアレベルでのセキュリティ設計・評価手法を研究しています。