このたび、新たに統合生化学分野を担当することとなりました。
私はこれまで、生化学を基盤として、輸送体(トランスポーター)の同定や機能の解明、生体内での役割の理解、さらに、その分子メカニズムに基づく創薬を目指して研究に取り組んできました。
しかし、研究を進める中で、トランスポーターの働きが細胞や組織、個体の機能へとどのようにつながっていくのかという、次なる問いが生まれました。
この問いを新たな出発点として、統合生化学分野では、これまで培ってきたトランスポーター生化学をさらに発展させ、分子の働きが生命機能へとつながる仕組みを探究していきます。また、そこから得られる新たな知見を、創薬へとつなげることにも挑戦します。
こうした未知の問いに挑む研究を、学生の皆さんとともに進めていきたいと考えています。
生命を理解するためには、すでに知られている知識を学ぶだけでなく、まだ答えのない問いに向き合うことが必要です。「なぜだろう?」という疑問から、何を明らかにするべきかを考え、問いを立てる。そして、その問いに答えるための道筋を考え、実験する。
時には予想とは異なる結果から、思いもよらない新たな展開が生まれることもあります。そうして得られた発見を新たな知見として世界へ発信し、多くの研究者と共有する。そこまでの過程に研究の面白さと達成感があります。
学生の皆さんには、知識や技術を身につけるだけでなく、自ら問いを立て、考え、挑戦し、新しい答えを見いだしていく経験を大切にしてほしいと考えています。
研究室は、まだ誰も知らないことを、自分たちの手で明らかにする場所です。これまでの知見を大切にしながら、既存の枠にとらわれず、学生の皆さんとともに新しい発見に挑戦していきたいと思っています。
その未知への挑戦を、ぜひ一緒に楽しみましょう。