子宮内膜症性では,気分の障害が高頻度に起こる!

 子宮内膜症の月経痛や,過多月経への中用量ピルの効果については,以前より知られていたが,より副作用の少ない低用量ピルも,子宮内膜症の方への治療薬として使用される機会が増えており,その有効性も明らかになりつつある.最近,1相性の低用量ピルであるマーベロンが日本でも発売され,以前からのオーソM21に加えて,2種類が使用可能となった.1相性の場合は,1ヶ月間でみた周期的なホルモンの増減はないため,1ヶ月以上,長期に使用し続けて月経を遅らせることもできるため,月経時の症状の強い方には使用するメリットが大きくなる.

 低用量ピルは,子宮内膜症以外にも,月経前症候群やニキビなどに対しても使用されることもある.しかし,本来は,避妊のために使用するものなので,患者と医師との相談で,よく理解していただいた上で,注意して使用することになる.また,中用量ピルが,健康保険の適応を持つのに対して,低用量ピルの健康保険の適応はなく,自費での購入となる.通常は,1か月分で2000円から3000円くらいであり,保険の適応拡大を望む声も高い.