愛しき苗よ 梅雨の晴れ間に自転車で棚田巡り

 

1. 梅雨の晴れ間だ、棚田に行くぞ

2. 小山の棚田 棚田の曲線美

3. 深山で独りオリエンテーリング

4. あれれれ? いつの間にか本命過ぎて昼飯所に

5. 上籾の棚田を見た後で  先に進もか戻ろか、戻るべし

6. 戻ったところで目にしたのは・・・

7. 本命の棚田をぐるり大きくひとまわり

8. 北床の棚田 名残を惜しみながら誕生寺へ下る

 

 

5. 上籾の棚田を見た後で  先に進もか戻ろか、戻るべし
 

 紅そば亭で一服した後、次の棚田、上籾(かみもみ)へ向かう。紅そば亭から緩やかな上り道を3キロほど進むと着いた。

 なかなか良い感じ。傍らの看板には、「耕して天に至る景観」と記されていた。棚田とそれを造り上げた人々の力強さが伝わってくるすごい表現だなと感心した。 それにしても本当に山深い。

  上籾の棚田を後にする。来た道を紅そば亭近くまで戻り、そこから最後の北床(きたしょう)の棚田に向かうつもりであった。ところが北床へ通じる分岐が近づくにつれ、私の中で一端治まっていたはずの あるわだかまりが再び首をもたげてきた。私は大垪和西の棚田をそれとは思わず見てしまった。そのため、一番楽しみにしていたにも関わらず、大垪和西の棚田をしっかりこの目で見たという実感が得られなかった のである。そのことがずっと心の底にわだかまっていたのであった。しかし、私が目にしたあの巨大な棚田が大垪和西のであることは絶対間違いない。なので、もう一度道を戻って大垪和西の棚田を示す看板を見つけたとしても、見る風景は同じはずである。ところが頭では分かっていても、分岐が近づくにつれ私の中のわだかまりはどんどん大きくなっていった。それは、北床への分岐に着いた時にはもう一度大垪和西の棚田を目にしないことには到底治まらない域に達していた。そのため北床の分岐を通り過ぎ、大垪和西の棚田まで引き返すことにした。