消えた轍 片上鉄道廃線跡を行く

 

1. 廃線跡自転車道への関心

2. 迂回路を通って起点まで

3.  一両編成の鈍行列車で聖地巡礼

4. 峠清水トンネルを抜けて金剛川橋梁を渡る

5. 往時の車窓風景を眺めがら天瀬駅到着

6. 数々の遺構を堪能す

7. これぞ聖地巡礼の醍醐味か?

8. 吉ヶ原にて

 

 

8. 吉ヶ原にて


 赤い三角屋根の吉ヶ原駅に到着。

 片上鉄道の終点は柵原駅だが、自転車道の終点は1つ手前の吉ヶ原駅である。 柵原駅舎はなく、これより先は遺構はほとんど残っていないようだ。

 

 駅舎に入る。多分、雰囲気は昔とほぼ同じだろう。窓口に声をかけたら駅員さんがガラリと戸を開け、顔を出してもおかしくない感じ。

 

 吉ヶ原駅では、往時の列車が保存されている。今にも動き出しそうだが、実際、毎月第一日曜日には展示運転をしているそうだ。蒸気機関車でもない列車がこのように大切に保存されているのは、多分すごく珍しいのではないだろうか。本日は保存会の方々が、楽しそうに駅舎やホームの整備をされていた。片鉄は今も愛されているんだなぁと思う。
 

 私が一番気に入ったのがこの車両。 私はいわゆる鉄ちゃんではなく、電車に特に詳しいわけではない。それでも列車をひとつひとつ丹念にみてまわると、それぞれ随分「顔」が違うなと思う。この車両の「顔」は、なんだかエビみたいでユーモラス。
 

 先ほどの「赤いエビ列車」が引いていた貨車。これで柵原鉱山で採掘した硫化鉄鉱を運んでいたのだろうか。
 

 客車に入ると、派手なジャージを着たおっさんが一人(実は私なのであるが)、メロンパンを食べていた(写真はオートシャッター)。

 今回、つれあいへのお土産を見つけることができなかった。片鉄クッキーなど適当なものがあればよかったのであるが、無いものは仕方ない。次回、なかやま朝練で レスパール藤ヶ鳴寄ったら、彼女の好物(パンプキン・ミニケーキ&おからクッキー)を買って帰ることで埋め合わせをすることにする。

 帰路は自転車道をしばらく戻り、その後、R484から山道に入り、最後は旭川沿いを走って帰ることにした。ところが、カバヤを過ぎてr218(玉柏野々口線)に入ってからハンガーノックで大きく失速。この区間は、なかやま朝練の定番コースで、列車を組むと40キロ近くで走り続けることもある。ところが、本日は全然力が入らず、単独走とはいえ20キロを超えるのがやっと。途中、ホットミルクケーキコーヒという普段なら絶対飲まない甘い飲料を自販機で補給したが時すでに遅し、速度は回復せず鈍行列車のまま何とか4時過ぎ家にたどり着いた。

 本日の遠乗りは、これまでのとは随分異なる趣であった。すでに2回走っているにもかかわらず、片鉄ロマン街道は新しい発見がいっぱいですごく新鮮に感じた。また、童心に戻って宝探しをしているようで、わくわく楽しかった。 最後に大きく失速してしまったこともあり、自転車本来の楽しさを満喫するという点ではやや不完全燃焼であったが、たまにはこんな遠乗りもいいものだなと思った。