先生の熱い夏休み 笠岡100万本のヒマワリ

 

1. どこか遠くへ行きたい

2. 吉備津彦神社で安全祈願

3.  沙美海岸で一休み 

4. どこまでも一面続くヒマワリだ 

5.干拓地の想い出

6. 消えた轍 井笠鉄道廃線跡を行く

7. なんてぇこったい!

8. ご利益と人の情けで無事帰還

9. 夜、ビールを飲みながら

 

 

4. どこまでも一面続くヒマワリだ

 腹の虫が取りあえずおさまったので、早速、道の駅の隣にあるヒマワリ畑に向かう。展望台の上からみると、どこまでも一面ヒマワリ畑が続いている。向日葵とはよくいったもので、みんなお日様の方を向いている。


 

  平日の早めの時間帯なので人出はそれほど多くなかったが、親子連れやカップル、お年寄りが、見事なヒマワリ畑に歓声をあげていた。子どもなどは、大はしゃぎだ。少々暑かったが、元気いっぱい咲くヒマワリを見ていると、こちらも自然と元気になってくる。畑の中には道が設けられ、一面に咲くヒマワリの中を歩くこともできた。


  写真を撮ったり散策したり、ヒマワリ畑を思う存分堪能した。遥々笠岡まで来た甲斐があったと思った。

しかし、よく見ると、ところどころ首を垂れている花もあった。私はつい最近まで、ヒマワリは元気にひと夏ずっと咲き続けるものだとばかり思っていた。ところが実際には、見頃は週間から週間くらいのようである。案外短い。花の命に限りがあることは定めだが、無慈悲な太陽に焼かれながら首を垂れていくヒマワリのことを思うと、随分気の毒に感じた。命が尽きた後は、せめてその魂だけでも高い空の涼しいところに昇り、心地よい風に吹かれながら涼めたらいいのにと思った。そのとき、私には一瞬、無数のヒマワリの魂が、小さな太陽のように白金に輝きながら空に昇っていく情景が脳裏に鮮やかに浮かんだ。
 

つづく