毎年春になると必ずつれあいと二人でぶらぶら花見に出かける。季節の移ろいに関する私の唯一の恒例行事だ。訪れるのはお城近くの旭川。いつも同じコースを歩くが、飽きることなく十分満足している。特に他の場所に出かけたいとは思わない。
ところが今年はそれが少々違った。しばらく遠乗りしてなかったせいだろう。桜の開花が近づくにつれ、積善山に自転車で花見に行きたくなってきた。積善山は、以前、BPSなかやまのしまなみサイクリングで連れて行ってもらったことがある。11月の晴天の下、山頂から皆と周囲の島々と海の眺望を堪能した。そのとき初めて、そこがしまなみ随一の桜の名所であることを知った。春には私たちが立った山頂から海を背景に咲き誇る桜を愛でることができるという。それ以来、いつか桜の季節に再び訪れたいと思っていたのであった。