島に着くと反時計回りに海岸線沿いを南下し、島の反対側にまわった。小さい島なのであっという間だ。看板はなかったが、上り口は案外簡単に見つかった。早速上り始める。花見客の大半は北からの道を登るのだろう。北からの上り道と合流するまでは、平日とはいえ花の名所の割には人も車も少なかった。自転車乗りとは下る二組とすれ違った。良い景色を見たのだろう。皆嬉しそうな顔をしていた。
中腹から花道が始まった。お花見ヒルクライムの始まりである。
こんなに次々桜を目にする山道は初めてだ。また1本また1本と新しい桜に会いに、軽く息を弾ませながら坂道を上っていく。気分はランナーズハイならぬヒルクライムハイ。
北からの上り道との合流地点から花見客の姿が多くなった。平日のせいかほとんどは年配者である。意外にも車で来る人は少なく、自分の足で一歩一歩登ってくる人が大半だ。
頂上まで後少し。桜越しに海が見えた。