岡山大学 大学院保健学研究科看護学分野 
臨床応用看護学領域 森本研究室

研究内容

研究テーマ

慢性および長期的な健康障害をもつ人および家族に関する研究(マネジメント・QOL等)
健康行動や認知的行動などのメカニズム/人々の健康支援に関する研究
エンドオブライフケア(非悪性疾患を含む)に関する研究
測定指標の開発に関する研究
看護実践能力を高める教育に関する研究

助成金を得て現在進行中の研究

研究代表者としての研究プロジェクト:森本

研究助成を受け(科学研究費補助金:基盤研究C)、研究代表者として慢性呼吸器疾患患者と配偶者を対象にした研究に取り組んでいる。

  • ・慢性呼吸器疾患患者の息切れへの対処を促進する支援プログラム
     平成30年4月~進行中
  • ・COPD患者および家族に対する看護師主導の早期緩和ケアモデルの構築
     令和5年4月~
呼吸器看護研究検討会での共同研究:森本

患者ケアに役立つ研究を行うためには、研究課題が臨床や患者の実態に即していること、エビデンスに貢献できる質の高い研究方法を設定することが必要であり、2012年に呼吸器看護研究検討会(Review meeting of pulmonary & respiratory nursing research)を発足し、慢性呼吸器疾患患者の看護のスペシャリスト(CNS)と研究者が協働して研究に取り組んでいる。

  • ・慢性呼吸器疾患患者が息切れに対して行っているマネジメント法および医療者に求めている支援ニーズの実態(研究責任者:森本)
     平成27年8月~平成28年8月に全国26施設の協力を得て調査を実施
  • ・政策医療財団、テルモ生命科学振興財団の助成金を得て実施した。
    2017.6.26-28 Dallasにて研究結果の一部を発表
    ※本研究では、835名の外来通院をしている慢性呼吸器疾患患者さんにご協力をお願いした。
    質問紙に回答をして返送くださった方は623名(回収率74.6%)。565名の患者さんの回答を有効回答(有効回答率67.7%)として分析を行った。患者さん方が息切れに対して多くのマネジメント法を実行されている実態が明らかになる一方で、その方法が息切れの緩和に役立っていると回答された方は、25%に満たなかった。本結果から、患者さん方が、息切れの緩和に役立つと認識あるいは実感できるようなマネジメントへの支援が課題であることが明らかとなった。
    本調査にご協力いただきました皆様ありがとうございました。
    上記の結果は、2018年(平成30年)「慢性呼吸器疾患患者が行う息切れに対するマネジメント法の実態」として日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌,27(2), doi.org/10.15032/jsrcr.27.2_168で公表しました。
  • ・慢性呼吸器疾患患者の息切れマネジメントに関する看護師のケアの実態/認定看護師を対象とした教育支援プログラムの実施と評価(研究責任者:今戸)
     平成30年1月~令和元年2月に、慢性呼吸器疾患看護・訪問看護認定看護師として登録され、週2名以上の慢性呼吸器疾患患者に看護実践を行っている認定看護師の方の協力を得て非ランダム化比較試験を実施
  • ・UMIN-CTR臨床試験登録(ID UMIN00003320)

  • ・公益信託中西睦子看護学先端的研究基金を得て実施した。
  • ・東京会場と大阪会場の2か所でプログラム介入を実施し、岡山大学東京オフィス(田町)も用いた。
  • 2018.7.16、8.26 東京会場    2018. 7.29、9.9 大阪会場
  • ・第13回日本慢性看護学会学術集会(2019.7/6-7)で、結果の一部を報告した。
     慢性呼吸器疾患患者の息切れに関して認定看護師が行う支援の実態について、口演、ポスターで結果を発表
  • ・第29回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会(2019.11/11-12)で、結果の一部を報告した。報告した以下の2題が優秀演題賞を受けた。
    演題「慢性呼吸器疾患患者の息切れマネジメント支援に関する認定看護師を対象とした教育プログラムの評価」(今戸さん発表)
    演題「慢性呼吸器疾患患者の息切れマネジメントに関して認定看護師が感じている難しさ・学習ニーズ」(竹川さん発表)
  • ※本研究は、693名の慢性呼吸器疾患看護認定看護師・訪問看護認定看護師に研究参加募集案内を郵送し、参加希望の返信があった138名にご協力をお願いした。
    事前調査時、事後調査時に脱落があり、最終的な介入群は48名、対照群は44名。
    介入群には1回3時間の講義・演習を1か月の間をあけて2回実施した。事前と事後(介入3か月後)に息切れマネジメント支援の実行頻度と自信の程度を自記式質問紙で調査した。
    本調査・介入研究にご協力いただきました皆様ありがとうございました。
    上記の結果は、2021年(令和3年)「慢性呼吸器疾患患者の息切れマネジメント支援に関する認定看護師教育プログラムの評価」として日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌,29(3)doi.org/10.15032/jsrcr.29.3_467で公表しました。
  • ・慢性呼吸器疾患患者における息切れマネジメント力を高める看護ケアの構築(研究代表者:森)
     令和4年~令和7年 科学研究費補助金:基盤研究B 研究分担者
    これまで行ってきた認定看護師を対象とした息切れマネジメント教育支援プログラムを精錬し、息切れ支援における看護ケアの構築を行う。全国の看護師が参加できるよう遠隔システムの活用、看護支援ネットワークの構築も視野に入れている。
研究代表者としての研究プロジェクト:梶原

研究助成を受け(科学研究費補助金:基盤研究C)、研究代表者として慢性腎臓病患者を対象にした研究に取り組んでいる。

  • ・新たな支援を目指したCKD患者における病気の捉え方と自己管理行動との関係解明

     令和3年4月~進行中

  • ※本研究では、274名の外来・入院をしている患者さんにご協力をお願いした。CKDに対する捉え方、自己管理行動の状況等について自記式質問紙で調査した。本調査にご協力いただいた皆様ありがとうございました。
  • ・第41回日本看護科学学会学術集会にて研究プロジェクトの結果の一部を報告した。 演題「CKD患者におけるIPQ-Rを用いた病気への認識の類型化とセルフケア行動の違い」
2022.12.4

質問紙に回答してくださった方は、244名(回収率89.1%)。212名の患者さんの回答を有効回答(有効回答率77.4%)として分析を行った。CKD患者さんにおいて病気の捉え方には3つの特徴がある可能性を示した。また、病気の捉え方の違いで自己管理行動に違いを示した。この結果はCKD進行抑制のための支援において、病気の捉え方にも着目する必要性を示唆するものであった。なお、この結果は研究プロジェクトの一部であり、今後も自己管理行動との関係解明に向けて、研究を継続していく。

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