年末を迎えて

2020年も残すところあと数日となりました。みなさま、いかがお過ごしですか。

今年は、ご承知の通り、世界中が新型コロナの猛威に悩まされた年となりました。大学でも、多くの講義がオンラインとなり、課外活動が大きく制限されるなど、学生のみなさんに多大な影響がありました。かくいう私も、今年は全く現地調査ができないまま新年を迎えつつあります。

最近こそワクチン開発に関するニュースを耳にするようにはなったものの、このコロナ禍は、現状ではまだ収束する兆しを見せていません。感染拡大もさることながら、これに伴う経済の停滞や社会の不寛容さが、私たちをさらに苦しめるに至っています。今後も当分の間は(場合によっては今後ずっと)、私たちは新型コロナと付き合っていかなければなりません。

ただ、考えてみれば、この「付き合い」は私たちが普段からしていることの延長だともいえるかもしれません。なぜなら、社会生活を営む上で、ときに「嫌な奴」ともある程度付き合っていかなければならないからです。私たちは、ある問題の「解決策」を考える際に、ともすれば技術や制度政策による「完全な解決」を期待しがちです。でも、「嫌な奴」の特徴を知り、周囲とのバランスを測ったうえでふるまうという、私たちが幼い時から培ってきたヒューマンスキルが生かされる局面も大いにあるのだと思います。

いずれにせよ、来年の今頃にはみんな笑って過ごすことができるようにしたいですね。寒い冬を迎えますが、くれぐれもご自愛ください。

みなさんにとって、2021年が希望に満ちあふれた年になりますように。

2020年12月25日